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2026.07.23 08:54

営業チームの生産性がAIで向上しない「本当の理由」

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私は何十年にもわたり、最も高いパフォーマンスを上げているゴー・トゥ・マーケット(GTM)組織と、それ以外の組織を分ける要因について研究してきた。このAIブームのなかで私が目にしているのは、あらゆるハイプサイクルでリーダーたちが犯すのと同じ過ちだ。彼らは、仕事の進め方そのものを疑う前に、新しいツールを導入してしまう。機能していないプロセスをスピードアップさせ、活動が増えることを価値が増えることと混同し、それを生産性と呼んでいる。だからこそ、営業におけるこれほど多くのAI投資が、活動は生み出しても収益は生み出さないのだ。

活動ではなく、成果を測定する

営業におけるAI導入の出発点は「導入率」であってはならない。「成果」でなければならないのだ。ClickUp(クリックアップ)のGTM戦略・パフォーマンス・AIオペレーション担当GVPであるアート・ハーディングは、私がこれまでに聞いた中で最高の定義を提示してくれた。彼によれば、すべては「契約価値」「案件数」「勝率(成約率)」「サイクルタイム(商談期間)」という4つのレバーに集約される。これだけだ。GTMにおけるすべてのAI投資は、これら4つのいずれかに遡るものでなければならない。最も重要な2つの指標は、営業担当者1人あたりの受注額と、GTM総人員1人あたりの受注額である。

ハーディングはこの点について容赦がない。「生産性とは概念ではない。言葉の定義そのものだ。CFO(最高財務責任者)に生産性を向上させたと報告すれば、CFOは同じ人員数で売上が増えたか、あるいはコストが劇的に下がったことを示すよう求めてくるだろう。私たちは皆、自分たちを10倍にしているという。しかし、年間150万ドル(約2億4500万円)ではなく、四半期で300万ドル(約4億8900万円)を売り上げる営業担当者が実際にいるだろうか」

コーチングの罠

生産性を活動ではなく成果として定義すると、人気のあるAIユースケースの多くが違って見え始める。コーチングもその一つだ。自問してみてほしい。営業担当者が現場のマネージャーの言うことを聞いていなかったとすれば、なぜAIのコーチングエージェントの言うことを聞くのだろうか。AIコーチングツールの威力は、それを利用する人材の「コーチングの受け入れ態勢(コーチアビリティ)」次第である。本当の効果は、AIを使ってより多くのコーチングを提供することにとどまらない。そもそも誰にコーチングの効果があるのか、彼らがどこで行き詰まっているのか、そしてどの介入策が実際に改善に役立つのかを特定するためにAIを活用することにある。

優れたマネージャーは単なる管理者ではない。彼らは人材の獲得と成長加速の専門家なのだ。AIが管理業務の負担を吸収できれば、マネージャーは人材開発とパフォーマンスの向上に集中できるようになる。

営業担当者を「売る仕事」に戻す

同じ原則が営業担当者にも当てはまる。AIは、彼らの一日にさらに多くのタスクを積み上げるべきではない。顧客から彼らを遠ざけている仕事を取り除くべきなのだ。最近、ある大手企業担当のシニア営業担当者(まさにすべての組織がもっと欲しがっているタイプのプロフェッショナルだ)が、数百万ドル規模の会議の準備のために1日半を費やしたと話すのを聞いた。アカウントの調査、スライドの作成、競合情報の収集だ。これはエリート人材の誤った使い方である。

AIにとって最初の機会は明白だ。優れた営業担当者を買い手から遠ざけている準備の負担を取り除くことである。AIは、営業担当者が部屋に入る前に、アカウント履歴を統合し、買い手の優先事項を浮かび上がらせ、会議ブリーフを準備し、資料を下書きし、リスクを特定し、次に取るべき最善の一手を推奨できるべきだ。

しかし、より大きな機会は会議の前だけではない。会議そのものの中にある。実際の交渉中のリアルタイムのAI支援、例えばその場での価格提示ガイダンス、通話中の取引コーチング、その場で提示される競合とのポジショニング分析などにおいて、そのレバレッジは非常に大きくなる。これにより、営業担当者は必要な瞬間に必要な情報を得られるため、「確認して後ほどご連絡します」という昔ながらの逃げ道に頼らざるを得ない状況から解放される。

すべての営業リーダーが問うべき正しい質問はシンプルだ。営業担当者が見込み客の前で売る時間を増やすために、AIは彼らの業務から何を取り除けるのか。

立ち上げ期間は隠れた乗数効果

経験豊富な営業担当者を解放することは、生産性の方程式の片側にすぎない。もう一方は、新しい営業担当者が生産性を発揮するまでの時間を短縮することだ。私があるリーダーから聞いた話では、彼らのチームは9カ月かかっていた営業担当者の立ち上げ期間を、そのわずか数分の一にまで短縮したという。彼らは営業を開始するのに必要な最低限のことだけを教え、あとはAIを活用したロールプレイングに頼ることで、失注という代償を払うことなく自信を植え付けた。営業担当者たちは、非常に印象的なことを口にし始めた。「顧客を相手に失敗するくらいなら、エージェントを相手に失敗する方がずっといい」

しかし、営業におけるAIのスケールには依然として規律が必要だ。すべてのAIユースケースを同じように扱うべきではない。顧客データに触れるもの、基幹システムを変更するもの、あるいは重大な結果をもたらす意思決定を方向付けるものである場合、厳格なガバナンスとエンジニアリングによる監視が必要となる。小規模なワークフローの修正は、実際に作業を行う担当者の近くで処理すればよい。難しいのはその中間だ。何を構築する価値があり、何を購入すべきか、そしてツールが実際に営業パフォーマンスを向上させているかを確認する責任は誰にあるのかを判断することだ。

ハーディングはClickUpにおいて、この原則に沿って組織を再編した。彼の以前のイネーブルメント(有効化・能力開発)チームは、現在「ゴー・トゥ・マーケット・パフォーマンス」と呼ばれ、GTM業務のプロダクトマネージャーとして機能している。「誰もがGTMエンジニアについて話しているが、エンジニアには何を構築すべきかのガイダンスが必要だ。プロダクトマネジメントがなければ、構築するのか購入するのかを誰が決定するのか。現場に対して、私たちが何をなぜ構築しているのかを伝える声となるのは誰なのか」とハーディングは言う。

リセットの時が近づいている

私たちは、営業におけるAIの「幻滅期」に入りつつある。第1波は興奮に満ちていた。より多くのツール、より多くの自動化、そしてより多くのコーチングだ。しかし、「より多い」は「より良い」と同じではない。特定すべきなのは、AIが実際に営業パフォーマンスを向上させる場所だ。

それは、すべてのAI投資をより厳しいフィルターにかけることを意味する。営業プロセスのどの部分が本当に人間を必要としているのか。これまでに当たり前のように存在していたため、誰も疑問を抱かなかったレガシーな遺物はどれか。どの投資が、4つの成果レバー(平均契約価値の向上、取引数の増加、勝率の改善、営業サイクルの短縮)のいずれかに直接結びついているだろうか。

ハーディングは素晴らしい比喩を示してくれた。私たちは食品を大量生産してきたが、栄養価はかつてないほど低くなっている。私たちはメッセージを大量生産してきたが、コミュニケーションは悪化している。「なぜ私たちは皆、より多くのソフトウェアにこれほど興奮しているのだろうか。これまでのソフトウェアとは異なる、私たちの働き方を再考すべき時だ。SaaSのミームをそのまま実行するのではなく、第一原理から考えるべき時なのだ」

AIは、より多くのメールの作成、通話サマリーの生成、ダッシュボードの構築を支援してくれる。しかし、AIは「非対称の増幅器」なのだ。最も優秀な人材にそれを持たせ、実際に収益を生み出す数少ない行動に向けさせれば、その見返りは驚異的なものになるだろう。しかし、機能していないプロセス全体に無差別に広げてしまえば、同じ場所にたどり着くためにより多くの資金を費やすだけになる。次のAI投資を行う前に、一つの質問を投げかけてみてほしい。「私たちは卓越性を増幅しているのだろうか、それとも平凡さを自動化しているのだろうか」

forbes.com 原文

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