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2026.07.23 08:48

AIが選別する労働市場 狙われる「特定の労働者」とは

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マイクロソフトは先週、全世界の従業員の約2.1%に相当する4800人の人員削減を行うと発表した。Xbox部門がその削減の大部分を占めるが、この削減の背景にあるAIのストーリーは、お決まりの「ロボットが仕事を奪いに来る」という話よりも具体的だ。AIは、タスク、年齢、スキルレベル、そして地域ごとに労働市場を選別し始めている。

ABCニュースによると、マイクロソフトのチーフ・ピープル・オフィサーであるエイミー・コールマンは「AIは仕事の進め方を変えつつある」と語ったが、同社は影響を受ける労働者がAIに直接代替されるわけではないとしている。より具体的に言えば、マイクロソフトは、かつては独立した1つの職務を構成していた業務の一部や、若手の育成ルート、そして通常はシニア層の労働者が現役最後の10年間に担っていた管理職の役割を、AIが徐々に引き受けるようになっているとみている。

今回のAIの影響を受けた人員削減で最もリスクにさらされているのは、ホワイトカラーのシニア層、中級スキルのオフィススタッフ、エントリーレベルのアナリストやアシスタントだ。マイクロソフトのグローバル拠点を見渡すと、事務、管理、専門職、あるいは技術職が地元の雇用の大部分を占める都市で、最も大きな削減が行われた。

リスクは職種ではなく「タスク」にある

OECD(経済協力開発機構)によるAIの雇用への影響に関する最新レポートは、AIが労働力に最も大きな影響を与えている要素を「タスク」レベルで示している。2026年の「AI曝露度(AI exposure)」指標は、AIの能力と、認知、社会、身体の各領域における職業的要件とを結びつけ、現在のシステムと職務の需要とのギャップが最も狭い部分を明らかにしている。つまり、現在のAIシステムが非常に得意とする分野と、職務が求める能力が一致している場合、AIはその業務タスクを確実に代替することになる。これにより、信頼、物理的な存在、人間関係、ケア、判断、あるいは説明責任に依存する仕事よりも、反復的な情報処理、報告、文書化を中心とする仕事へのプレッシャーが高まる。

OECDの関連レポート『Skills in the AI Age(AI時代のスキル)』も、政策的な観点から同様の指摘をしている。AIは生産性を向上させ、新たな職務を生み出すことができるが、タスクの代替に対して最も脆弱な労働者のための強力な移行支援制度を整えずに企業がシステムを導入すれば、失職のリスクが高まる。同レポートは、AIを単なる省力化の手段としてではなく、多くの職務におけるスキル需要を変化させる汎用技術として位置づけている。

たとえば、かつて判例ファイルを要約し、タイムラインを整理し、書簡の最初の下書きを作成していた法務アシスタントは、それらのタスクがAIシステムによって自動化されるか、事務所のソフトウェアに組み込まれたAI機能に置き換わるのを目の当たりにするかもしれない。かつてレポートを抽出してアカウントのメモを作成していた営業オペレーションの担当者は、その業務がCRM(顧客関係管理)のAIエージェントに統合されるのを目にする可能性がある。若手のマーケターは依然として必要とされるかもしれないが、キャンペーンコピーの最初の下書きを10パターンも作成するために必要とされることはなくなるだろう。

2026年1月、ブルッキングス研究所の研究者らは、米国の労働者3710万人が、職業上のAI曝露度において上位4分の1に位置していると推計した。これらの労働者の大半は適応能力が高く、他で活かせるスキル、貯蓄、資格を持っているか、または現地の雇用市場が成熟している。しかし、より小規模なグループである610万人の労働者は、高い曝露度と低い適応能力の双方に直面している。同研究所によると、この脆弱なグループは事務職や管理職に集中しており、その86%を女性が占めている。また、このリスクは、大学町、州都、および影響を受けやすいオフィスワークの基盤が大きい中規模地域などの地域労働市場とも結びついている。

エントリーレベルの仕事の価値が再定義されている

AI労働市場は、若い労働者をスキルによっても二分し始めている。先月発表された、27の国と地域における10億件以上の求人広告に基づくPwCの「2026年グローバルAIジョブバロメーター」によると、AIが専門業務を拡張する職種は、成長スピードが速く、給与水準も高い。AI曝露度が高い職種では、ジュニアレベルの役職であっても、判断力やリーダーシップといったシニアレベルのスキルを求められる確率が7倍高くなっており、「エントリーレベル」の仕事の定義が変わりつつある。PwCはまた、こうした「シニア化」したエントリーレベルの役職が2019年以降で35%増加したのに対し、その他のエントリーレベルの役職は10%減少したことを明らかにした。

これが育成上の課題を生んでいる。かつてのエントリーレベルの労働者は、スプレッドシートの整理、プレゼンテーションやメモの作成、基本的なコードの記述など、リスクの低い作業をまず行うことで学んでいた。彼らは上司の監督下で実務をこなしていた。しかし現在、まさにそれらのタスクに対して、生成AIツールやAI機能を組み込んだSaaSソリューションが適用されている。つまり、現在のエントリーレベルに求められるのは、これらのツールを駆使して、かつてのシニアレベルの能力を発揮することなのだ。要するに、キャリアの梯子の第一歩が高くなっているのである。

予定よりも早く退職するシニア層

もう一つのリスクにさらされているグループは、職業生活の終盤に近い人たちだ。ボストンカレッジ・退職研究センターは2026年6月30日、AIの利用が急増した後、AI曝露度の高い職種に就く55歳以上の労働者の離職率が上昇していると報告した。同レポートは、影響を受けやすい職種の例としてプログラマーや会計士を挙げている。ただし、多くの高曝露度の職種における離職率は、身体的負担の大きい低曝露度の職種に比べれば依然として低いことにも注意を促している。

組織が最も高齢で経験豊富なシニア層の従業員を積極的に追い出そうとしているわけではないが、AIに適応して活用しなければならないというプレッシャーが、結果的にその役割を果たしている可能性がある。AIを多用する新しいワークフローの習得を求められた59歳のプログラマーは、その努力がストレスに見合わないと判断するかもしれない。62歳の会計士は、自動レビューツールを中心に業務を再構築するよりも、引退することを選ぶかもしれない。

米国労働統計局(BLS)の最新データは、AIが単に技術職を破壊しているという見方を複雑にしている。BLSの2026年版「Monthly Labor Review」によると、今後10年間のいくつかの雇用予測にAIの影響が組み込まれており、多くの職種において不確実性が高いとされている。BLSは米国の総雇用者数が3.1%しか増加しないと予測しているが、コンピューター、データ、研究関連の職種の成長を牽引する一因としてAI関連の需要を挙げている。同時に、BLSは今後10年間でコンピュータープログラマーの雇用が6%減少すると予測しており、その理由として、反復的なプログラミングタスクを自動化するためのAIやその他のツールの使用を挙げている。この分裂は、AIがテクノロジーの構築、管理、応用を行う労働者の需要を高める一方で、日常的な実行を中心とする職務を圧迫するという、労働市場全体のパターンに合致している。

AIをめぐる企業の相反するシグナル

今回のマイクロソフトの人員削減の波は、より広範な企業パターンの一部である。2025年6月、アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは従業員に対し、生成AIやエージェントが社内の仕事を変えるだろうと語り、アマゾンでは「現在行われている業務の一部において、必要な人員が減少する」ことになり、AIによる効率化の恩恵を受けて、今後数年間で企業全体の労働力が削減されることを見込んでいると述べた。

こうした変化は、経営幹部たちがAIと労働力に対する考え方を進化させ続けていることを示している。最初の条件反射的な対応は、反復的なタスクをソフトウェアに吸収させ、雇用を削減したり採用を抑制したりすることだった。しかし、チームが適応し、再編成されるにつれて、企業は単に定型業務を自動化するだけでなく、スキルを身につけた人材がより多くの成果を達成できることに気づき始めている。

AIに数十億ドルを投じている取締役会は、現在、単なるコスト削減以上のものを追跡している。彼らは、ほぼ毎日変化する市場において持続可能な競争優位性を獲得する方法を模索しており、特にAIが人々の仕事にどのような影響を与えているかをより具体的に見極めようとしている。これは、AIの影響が、特定の地域における、特定のタスクを担う、特定の労働者に対して、より強く現れ始めていることを意味している。

forbes.com 原文

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