この協定をめぐる主な批判
「議会は、アラブ首長国連邦(UAE)との協定と同等の最高水準のセーフガードが含まれている場合のみ、これを承認すべきだ」と、ブラッド・シャーマン下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)はXに投稿した。「中東における核拡散を防ぐための戦争を主導する大統領が、米企業が利益を得るという理由だけで核拡散を助長すべきではない」。
シャーマンがここで言及したのは、より厳格な査察を義務付けたUAEとの不拡散協定のことだ。シャーマンは22日の公聴会で、2018年に当時上院議員だったマルコ・ルビオ現国務長官とともに「サウジアラビアへの核兵器提供防止法案」を提出したことに触れ、「この法案はサウジアラビアとのすべての協定に対し議会の法的な承認を義務付けるものだった。私は当時のルビオ上院議員が恋しい」と述べた。「現在のルビオ国務長官はまったく異なるアプローチをとっている」。
一方のルビオは22日、この協定に関する記者団からの質問への回答を拒否し、ホワイトハウスに委ねた。
署名された協定と議会に残された90日
署名された協定は今後、審査のために議会へ送付される見通しだ。米国の原子力法に基づき、議会は90日以内に不承認決議を発出することができるが、それには大統領拒否権を覆す特別多数の賛成(3分の2以上)が必要となるため、この協定が否決される可能性は低い。
ウラン濃縮やプルトニウム再処理を容認する可能性との報道
この協定により、原子炉用の核燃料をサウジアラビア国内で濃縮することが認められることになるが、批判派はこれが同国の核兵器開発を助長するのではないかと懸念している。サウジアラビアは原子炉の供給に米企業を利用することが義務付けられ、米企業はサウジ側による計画の管理を制限し、核兵器開発への転用を防ぐためのセーフガードを設置することになる。
米エネルギー省が公表している一覧では、米国はこうした「不拡散」協定を51の政府および国際原子力機関(IAEA)との間で26件締結している。ニューヨーク・タイムズの報道によると、今回の協定には、国際的な査察の制限や、サウジアラビアによるウラン濃縮やプルトニウム再処理を容認する可能性など、サウジアラビア側に有利な条項が多数含まれている。
この協定は過去の政権下でも長年にわたり交渉が進められていた。前大統領のジョー・バイデンは、サウジアラビアによるイスラエル承認を協定の前提条件としていたが、トランプはその条件を撤回した。


