The informationの報道によると、グーグルはアンドロイドスマホに特化したプロセッサの開発について、半導体メーカーと協議したという。アンドロイド向けのチップ供給企業の中で、シェアが大きいのはクアルコム、メディアテック、サムスンだ。クアルコムは最大手で、メディアテックは低価格向け製品を得意とする。サムスンは自社デバイスにExynosのチップセットを組み込んでいる。
グーグルがどのメーカーと手を組むのかは明らかにされていないが、クアルコムがその相手になる確率は低い。設計の支配権を譲り渡すと他のチップメーカーとの差別化を図れなくなるからだ。一方、より小規模なチップメーカーにとって、グーグルからお墨付きを得ることは、今後のビジネスに有利に働くだろう。
グーグルはアップルのiOSエコシステムに対抗しようとしている。アップルはiPhoneのほぼ全てをカスタム化し、iphone6SとiPhone6S Plusに搭載された独自チップのA9は、CPU性能やグラフィック性能を大幅に高めた。
グーグルが自前のチップを作ろうとしたのは初めてではない。2013年には自社のデータセンター用のARMベースのチップの設計を検討していると報じられた。グーグルが新たな特色を打ち出し、消費者の関心をiPhoneからアンドロイドに向けさせようとするなら、専用チップの開発は極めて重要だ。
The Informationによると、グーグルはよりパワフルなセンサーでヴァーチャルリアリティとAR(拡張現実)を強化するチップの開発を検討中だ。メーカーらとの間で、静止画像からビデオストリームを作成するための、センサーの処理能力についても協議しているという。
ヴァーチャルリアリティを実現するためには、物体との距離を素早く測定するセンサー技術が必要だが、その実用化を支えるチップ開発も進めている。