世界の原油輸送の要衝であるホルムズ海峡で、イラン軍がギリシャの海運王ジョージ・プロコピウが所有するタンカーを攻撃・拿捕した模様だ。同海峡においてはイランによる一連の攻撃により商船の航行が事実上停止している。
フィナンシャル・タイムズ(FT)の報道によると、プロコピウが率いる海運会社ダイナコムが所有するタンカー「カヴォマレアス(Kavomaleas)」は、米国時間7月19日の夜、オマーン沿岸沖で2発の飛翔体の直撃を受け、乗組員は総員退船を余儀なくされた。
FTは21日付けの欧州宇宙機関(ESA)の人工衛星画像を引用し、イラン領海内でエンジン部分から煙を上げるカヴォマレアスの姿を報じた。海運アナリストらは同紙に対し、同船が拿捕された可能性は「極めて高い」と語っている。
FTによると、カヴォマレアスは同海域で50万バレル以上の原油を積み込むために海峡内に滞在していた。またダイナコムは、200万バレルの原油を輸送中だった同社が所有する別の船舶「アケロオス(Acheloos)」も19日夜に攻撃を受けたと同紙に明かした。
他社が敬遠するリスクの高い海域での輸送を積極的に引き受けることで知られるダイナコムは、イラン紛争によって今年2月に同ルートが事実上閉鎖されて以来、少なくとも10隻のタンカーをホルムズ海峡へと通過させてきた。
プロコピウは6月、紛争海域を航行するみずからの姿勢をナポレオン戦争時代のギリシャ商人になぞらえ、現在の紛争下においても引き下がるつもりはないと示唆していた。
ドナルド・トランプ大統領は22日、今後ホルムズ海峡で船舶が攻撃されるたびに、イランの橋梁や発電所を爆撃すると警告した。ただし、マルタ籍であるカヴォマレアスの拿捕報道については現時点で直接的な言及は行っていない。
プロコピウは「ギリシャには古代から海上封鎖を突破してきた伝統がある。これ以上詳細には踏み込まないが、私が言わんとすることを理解してもらうには、これだけのヒントで十分だろう」と述べていた。



