習慣2:自信があることを挙げる
自己効力感に関する研究から得られる、自信の構築と密接に関連した2つ目の知見は、自分の能力に対する確信は包括的なものではなく、状況ごとに異なるということだ。外科医は何時間にもわたる手術を完全に落ち着いて行える一方、ディナーパーティーでは明らかに自分は場違いだと感じるかもしれない。法廷で堂々と振る舞う弁護士でも初デートを恐れるかもしれない。このパターンを研究する心理学者はこれを解決すべき矛盾とは考えない。あるべき姿通りに機能している正確な自己認識だと捉えている。
問題となるのは「もっと自信のある人になる」という抽象的な目標を掲げたときだ。この目標はあまりにも漠然としているため具体的な成果と結びつけることができず、調子の悪い週があっただけで崩れてしまうほど脆い。
プレッシャー下でも自信を保てる人は多くの場合、困難な会話でも冷静さを保つこと、不慣れなソフトウェアを素早く習得すること、会議をきっちりと進行することなど自分がすでに自身に証明してきたことをある程度正確に挙げることができる人たちだ。あらゆる場面に通用する漠然とした自信は、それが決して重要な役割を持つ部分ではなかったためあえて曖昧なままにしている。
習慣3:自分に対して寛容になる
厳しい自己批判は一種の規律として働き、不快な状態を保つことで高い基準を維持できるという十分に検証されていない前提が広く浸透している。心理学者クリスティン・ネフが発展させたセルフ・コンパッションに関する研究は、むしろその逆に近いことを示唆している。専門誌『Annual Review of Psychology』に2023年に掲載されたレビューが示すように、自分が失敗したときに苦しんでいる友人に向けるのと同じ温かさと適切な配慮を自分にも向ける人は挫折から早く立ち直る傾向がある。そのような人は身を引くのではなく、向上する意欲を保ち続ける。
プレゼンテーションを同じようにしくじった人が2人いるとしよう。1人は、その失敗が自分の能力について致命的な事実を露呈したものと結論づけ、今後は人前に出る状況を避けようとひそかに決意する。もう1人はその失敗を人前で難しいことに挑戦すれば起こり得る、不快ではあるが普通の出来事として捉え、自分に一定の寛容さを向けて次の機会でも進んで手を挙げる。
セルフ・コンパッションの研究によると、2つ目の反応は身につけることができる姿勢であり、それは慰めというよりも保険として機能する。物事に挑戦し続けようとする意欲を守ってくれるものであり、このリストにある全ての習慣の土台となる要素だ。


