この習慣が「怠惰」に見えるのは、現代のパートナーシップ文化が「クオリティタイム(質の高い時間)は演出されるべきもの」という考え方に染まっているからだ。計画されたデート、深い会話、明確な始まりと終わりのある共同作業など。目的もなく過ごす時間は「無駄」として処理されるか、関係が停滞している兆候とみなされがちだ。しかし、私たちの神経系は「生産的な親密さ」と「非生産的な親密さ」を区別しない。ただ「近くにいること」を「安全」と認識する、それだけなのだ。
習慣2:やるべきことリストを後回しにする
2つ目の習慣は、土曜日の朝に見られる。洗濯かごには洗濯物が溜まり、受信トレイは未読メールで一杯であるにもかかわらず、カップルがあえてコーヒーを飲みながらのんびり過ごすことを選択する場面だ。
これは、心理学のまったく異なる分野である「職場の疲労回復(ワークプレイス・リカバリー)」研究で実証されている現象に近い。この分野の心理学者は、物理的に仕事から離れるだけでなく、頭の中でも仕事のことを考えるのをやめることを「心理的デタッチメント(心理的距離)」と呼ぶ。
休息時間中にメールや用事、義務について頭の中で考え続けないことを指す。職場の疲労回復に関する約200件の研究を統合した2021年のJournal of Management誌のメタ分析では、これが日常生活において忍耐力とエネルギーを回復させるための、最も信頼性の高い予測因子の1つであることが示されている。こうした回復効果は勤務時間中にとどまらず、家庭に持ち帰る心のゆとりにも好影響を与えると考えるのは自然だろう。
ここで多少の補足が必要だろう。誰もが同じように簡単に仕事から頭を切り替えられるわけではなく、精神的疲労がどのように蓄積され、解消されるかについては、心理学者の間でもまだ議論が続いている。過密な仕事量や、物事を思い悩みやすい傾向(反芻思考)があると、「ただリラックスする」ことは想像以上に難しい。しかし、研究が示す方向性は一貫している。物理的なタスクだけでなく、精神的なタスクからも解放された「予定のない時間」を確保することは、確実に報われるということだ。


