北米

2026.07.25 09:00

UCバークレーから清華大へ ノーベル賞科学者の中国移籍が象徴する米「頭脳流出」の背景

米カリフォルニア大学バークレー校から中国の清華大学に移籍したオマー・ヤギー教授=ゲッティ

ドナルド・トランプ米政権は、連邦政府による研究助成金の配分や管理の仕組みを大幅に見直す案を打ち出しており、内容には政治任用者に研究資金の配分決定についてより大きな権限を与えることなどが含まれる。関連して、米国の大学は米政府の制限対象リストに掲載された中国の大学などとの共同研究が制限される。この提案のパブリックコメント(意見公募)には7月13日の締め切りまでに数十万件にのぼる意見が寄せられ、米国の科学コミュニティーに広範な反対の声があることが示された。

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米国の大学はすでに連邦政府による研究支援の縮小や、国際共同研究に対する制限の強化、先行き不透明な地政学的情勢に苦慮している。こうした圧迫はトップ研究者の間でどこでキャリアを築くかの選択にますます大きな影響を与えるようになっていて、より安定した研究環境と手厚い支援を求めて米国外に目を向ける人が増えている。

科学人材をめぐる競争はもはや一方通行ではない

研究費をめぐる先行きが不透明なため、米国の多くの研究者は外国でのキャリアを検討している。英科学誌のネイチャーが米国の科学者1600人あまりを対象に行った調査では、米国を離れることを検討していると答えた人が4分の3にのぼった。拠点の移動先として人気が高かったのは欧州やカナダだった。

ヤギーの中国移籍は、科学人材の獲得競争に重要な変化が生じていることを浮き彫りにした。エリート研究者には現在、魅力的な選択肢が複数存在しており、中国の有力大学は各分野のトップクラスの科学者にとって、十分検討に値する進路先候補になっている。フランスも、研究費の削減や不透明さを増す研究環境に不安を抱く米国の研究者を誘致しようと、取り組みを強化している。

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米国の大学は数十年にわたり、世界最高峰の科学者たちは自分たちの元に集まってくるものだと当然のように考えてきた。けれどヤギーの中国転出は、競争が新たな段階に入ったことを示唆している。世界一流の研究者たちは、いまでは実にもっともな理由から、米国以外での研究生活を十分視野に入れるようになっているのだ。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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