警察や探偵の聞き込みはしょっちゅう
ホテルという場所柄、警察の聞き込みはやっぱり多いです。けっこう頻繁にあります。
プライバシー保護といっても犯罪者は該当しません。
宿泊施設などに警察が立ち寄り、被疑者が宿泊しているかどうか調べることを「旅舎検(りょしゃけん)」と言います。
旅舎は旅館、検は調べるという意味なので旅舎検です。正式名称もなにも略語ではありません。
「りょしゃけん」って何? と、実際にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。
私が仕事中に実際ホテルから逮捕されていった人もいます。ただ警察が探している人が今まさに宿泊しているということは少なかったです。
ほとんどが宿泊していないか、していたとしてもだいぶ前だったという場合がほとんどです。
容疑は万引きから殺人までいろいろです。
しかし警察の情報網というのは凄いですね。この辺りに潜伏しているというのが分かっているし、偽名を使っているとしたらとしていくつかの名前を挙げて行ったりします。
ただし協力はけっこう大変で面倒です。犯人の供述とアリバイを一致させる為に、いつからいつまで泊まって、何時ごろインして、何時ごろアウトしたか。時には監視カメラの映像記録を見る場合もあります。
時には証拠写真の立ち合いや報告書を提出したりすることもあります。
正直に言うと、とても面倒です。だからといって知らんふりは出来ません。市民として協力するのは当然だと思っていますし、逆に何かあった場合はこちらが助けていただく場合もあるわけですから。
警察よりも多いのが探偵です。家出人、失踪者などの人捜しをしているわけですが、尋ねられている人物がまさに今宿泊している…なんていう事は無かったです。
探偵にもいろいろあって、「家出人」といって捜している人が本当に家出人であるとは限りません。
借金で逃げているとか、金を持ち逃げして組から追われているとか、ヤバイことをして追われている可能性もあるわけです。
だから探偵の場合は警察より慎重に考えなければいけません。プライバシーと個人情報保護の問題もあります。たいてい家出人の場合は警察には捜索願が出されており、情報はこちらへと警察署の番号も併記されていますから、こういうチラシは信用して良いのだと思います。
実際には「ホテル探偵DOLL」みたいなのはいません。日本ではホテルに雇われた探偵なんてものは存在しません。
そういうわけで、お客様から見えないカウンターの内側にはこうした尋ね人の写真がたくさん貼ってあったりします。
不思議なことに写真を眺めていると何となくどこかで見たことがあるような気がしてきてしまうんですよね。しかし、ほとんどは気のせいです。似ている人というのも世の中には大勢いるでしょう。
尋ね人の報奨金は10万円くらいあったりします。だから張り切って捜すなんていうことはありませんでしたが、残念ながら偶然うちのホテルへ泊まりに来たということは一度もなかったです。
フロントが困るのは、大きなマスクにサングラスをした人がチェックインに来られた時です。
ホテルとしては宿泊者の顔は把握しておきたいのですが、なかなか外して欲しいとは言えないものです。病気やケガで隠したい人もいることでしょう。
現在は、新型コロナの影響でマスクは珍しくなくなってしまいました。
フロントがお客様の顔で覚えることは困難になってしまいました。
■「ホテル裏話 | なぜ? みんなの疑問を元ホテルマンが暴露」◎元ホテル勤務の筆者がホテル経営の裏側を綴るブログ。ホテルにまつわるあらゆる雑学やエピソード、宿泊者が不思議に思うホテルの「なぜ?」にも答える。
(※本記事は筆者個人の勤務経験・体験にもとづくものであり、すべてのホテルに関する知見を網羅するものではありません)


