総務企画部門一筋の男が、出島に渡って出した結論
━━渡邉さんご自身は、もともと本島の総務企画部門にいらっしゃって、あるタイミングで出島である食品事業に移られた。まさに本島と出島をつなぐ架け橋のような立場だったと思います。まず、移られたときのお話を伺えますか。
渡邉:当時、食品事業の売上は2億円くらいまで来ていて、社内にはなんとなく「悪くないね」という雰囲気はありました。ただ、経営会議で話題に上ることはほとんどない。うちは基本的に焼酎の会社ですから。私自身、食品事業に関わったことは一度もなくて、正直、ほとんど知らなかったんですよ。
━━以前もおっしゃっていましたね「最初はほとんど知らなかった」って。
渡邉:だって、ずっと焼酎のことばかり考えてきましたからね(笑)。それが異動して、初めて真剣に考えた。ずっと総務企画部門をやってきた人間として、これは本当に経営資源を投入すべき事業なのかどうか。それまで研究員たちの熱意で進んできたものを、外部から入ってきた人間として、冷静に見たんです。最初の3、4カ月は、ずっとその分析をやっていました。
━━結論は、どうでしたか。
渡邉:「これはいける」でした。そこからは、食品事業のメンバーにも、経営会議でも、「これはいけるんでやりましょう。もっと経営資源を投入しましょう。人も要るし、金も要る」と言い続けました。
━━「いける」と判断した、一番のポイントはどこだったんですか。
渡邉:まず外部環境。市場が伸びている。その上で大きかったのが2つ。ひとつは、三和酒類が持っている特許やエビデンスが、群を抜いて多かったこと。もうひとつは、営業メンバーの、お客様に対するプレゼン能力とサポート能力です。取引先からものすごく信頼されていた。この2つを一番の理由として、経営会議で「これはいける」と話していました。


