新規事業

2026.07.24 11:45

成長率926%! 厄介ものだった焼酎粕を“宝の山”に変えた「いいちこ」の出島組織

研究所の前にて。渡邉さん(右)と新谷さん(写真=三和酒類)

「焼酎粕」と言うと罰金?

━━そして1979年に「いいちこ」が誕生して、大ヒットする。そこからどうやって食品事業が生まれていったんでしょうか。

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渡邉:「いいちこ」が1リットルできると、焼酎粕も1リットル出るんです。

━━同じ量が出るんですか。

渡邉:発売当時、まだそんなに売れていない時代は、近所の農家さんに肥料として使ってもらうところから始まっています。でも「いいちこ」が一気に伸びていくと、もうそれだけでは処理できない。当時は海洋投入が認められていたので、海に還元していました。それがメインで、一部を家畜の飼料に。とにかく「なんとか処理しよう」というところから始まっているんです。

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━━つまり当時は、焼酎粕を資源だとは考えていなかった。

渡邉:そうですね。会社に研究開発室ができたのが1984年ごろ。そのあたりから徐々に焼酎粕の研究が始まって、1989年に研究所ができて、本格的に研究を進めていきます。

━━海洋投入を続けるわけにもいかなかったからですか?

渡邉:それが大きいですね。最初に取り組んだのは、焼酎粕を乾燥させて牛の飼料にすること。そういうことを研究していく中で、焼酎粕の中にいろんな有効成分があるとわかってきた。そこから食品事業に向かっていくんです。

新谷(三和酒類 食品事業 技術営業担当):ちなみに当時、研究所の中で「焼酎粕」という言葉を使ったら罰金だ、と言っていたそうなんですよ。

━━だったらなんと言っていたんでしょうか?

新谷:これは「焼酎粕」じゃない、価値のある「発酵大麦エキス」なんだと。

━━たしかに「粕の再利用」と「発酵大麦エキスの活用」では、社内の空気がまったく変わる気がします。

新谷:そして、そのエキスを売るためには「こういうものに使えます」という商品を自分たちでつくって見せる必要がありますよね。なので当時、焼肉のタレとかドレッシングをつくっていたんです。

━━三和酒類が焼肉のタレを! いまはもうないんですか。

新谷:もうないです(笑)。でもそうやっていろんな試行錯誤を繰り返していました。

━━残念。ぜひ試してみたかった。

いいちこの製造工場にて(筆者撮影)
いいちこの製造工場にて(筆者撮影)
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