経営・戦略

2026.07.22 17:44

なぜ経営幹部はリスクマネジメントを包括的かつ戦略的に位置づけるべきなのか

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2026年Forbes CxO Growth Surveyによると、CFOの過半数(56%)が今後1年間で戦略的リスクマネジメントを優先課題と位置づけており、2025年の52%から増加している。

企業は、地政学的不確実性、インフレ、急速な技術革新、進化する気候関連リスクなど、拡大する多様な課題に直面している。相互保険会社Sentryの地域プロダクト・プライシング・アンダーライティング担当アシスタント・バイスプレジデントであるMichael Teng(マイケル・テン)氏は、これらの要因が日常業務に与える影響が増すなか、リスクマネジメントは経営戦略の重要な構成要素になっていると語る。

「組織がリスクに対して包括的なアプローチを取ることで、業務の中断を減らし、コストを管理し、顧客へのサービスを継続する体制がより整います」とTeng氏は言う。

レジリエント(回復力のある)な組織を構築するには、単に保険に加入するだけでは不十分だ。可視性、説明責任、そして情報に基づく意思決定を土台にした、統合的なリスクマネジメント戦略が必要となる。以下では、そのアプローチを強化する方法を紹介する。

リスクが経営陣のあらゆる領域に及ぼす影響:

  • CxO(経営幹部)の44%が、経営幹部会でどのリスクを取るべきかを議論していると回答。
  • CIO(最高情報責任者)の64%が、今後1年間の最大の課題としてサイバーセキュリティとリスクマネジメントを挙げている。
  • CFO(最高財務責任者)の56%が、今後2年間で戦略的リスクマネジメントを財務部門の優先事項と位置付けている。
  • CHRO(最高人事責任者)の65%が、自社の最大の人材課題の一つとして、AIなどの新技術を効果的に活用できるよう人材のスキルを向上させることを挙げている。
  • CEO(最高経営責任者)の47%が、成長を促進するために最先端技術の導入を加速する必要があると考えており、43%は外部ステークホルダーとの連携を強化する必要があると回答している。

出所:Forbes 2026 CxO Growth Survey

リスクマネジメントへの包括的アプローチ

Teng氏は、予期せぬ事態がもたらす影響は直接的な財務損失をはるかに超えるため、シニアリーダーはリスクマネジメントに大きな影響力を発揮できる立場にあると指摘する。

労働災害、交通事故、機器故障、その他の混乱は、従業員の士気、生産性、業務継続性、長期的な業績に影響を与える可能性がある。こうした影響により、リスクマネジメントは経営陣全体にとって重要な課題となる。特に、Forbesの調査でCFOの48%が生産性の向上と予測精度の改善を重視していると回答していることからも、その重要性がうかがえる。

「事故や負傷は、組織の複数の領域に影響を及ぼす可能性があります」とTeng氏は語る。「リスク評価と対応計画では、こうした広範な事業への影響を考慮すべきです」

生産性向上を目指す組織は、従業員、業務、資本投資を妨げるリスクを特定し対処することで恩恵を受けられる。同時に、予測に注力するリーダーは、リスク関連データを活用して潜在的な損失傾向をより深く理解し、その洞察を財務計画に組み込むことができる。

次のステップは、時間の経過とともにリスクエクスポージャーを軽減するプロセスとコントロールを強化することだ。具体例としては、ドライバー安全技術の導入、倉庫のエルゴノミクス改善、職場の安全プログラム強化などが挙げられる。

「組織が損失の頻度と深刻度を減らせれば、その改善は財務パフォーマンスの向上に直接寄与します」とTeng氏は述べる。

リスクパートナーシップによるビジネスレジリエンスの構築

効果的な管理体制を整えても、損失や中断は起こり得る。だからこそ、ビジネスレジリエンス(企業の回復力)はあらゆるリスクマネジメント戦略の中核要素であるべきだ、とTeng氏は言う。

レジリエンスは財務リソースの維持だけにとどまらない。混乱が実際に発生した際、組織がどのように対応し、回復し、業務を再開するかを事前に準備することも含まれる。

Forbesの調査によれば、CFOの35%が財務レジリエンスの強化に注力している。Teng氏は、リスクマネジメントパートナーとの緊密な連携がその取り組みを支えると語る。

組織が直面するリスクがますます複雑化するなか、企業は定期的な保険取引ではなく、継続的なガイダンスを求めるようになっている。戦略的パートナーシップは、リスクの可視性向上、安全対策の強化、潜在的な混乱への備えを支援できる。

Teng氏によれば、Sentryは顧客と連携し、地域、地方、業界固有の環境にわたるリスクを評価している。データ駆動型の洞察と業界の専門知識を活用し、トレンドの特定、安全パフォーマンスの向上、より情報に基づく意思決定を支援している。

「テクノロジーとデータ分析は、組織がリスクパターンを特定し、そうした行動が損失につながる前に対処するのに役立ちます」とTeng氏は語る。

このコンサルティング型のアプローチは、保険手配だけにとどまらない価値をもたらす。損害査定の知見、安全に関する専門性、事業継続計画、データ分析を組み合わせることで、リスクマネジメントパートナーは回避可能な損失を減らし、業務パフォーマンスを改善する機会の特定を支援できる。

リスクの洞察を活用して財務報告を支える

Forbesのデータによれば、CFOの44%が継続的な財務報告を優先課題としている。

Teng氏は、経験豊富なリスクマネジメントパートナーは、潜在的損失をより深く理解させ、リスク傾向を評価し、関連データを財務計画に組み込むことで、こうした取り組みを支援できると述べる。

例えば、車両フリートを保有する企業は、リスク評価を用いて損失パターンをより正確に把握し、その予測を予測モデルに組み込むことができる。そこから、注意散漫運転の削減など、フリート全体の安全性を向上させる対策を実施できる。

「労働災害や交通事故は、多くの場合、時間の経過とともに測定可能なパターンをたどります」とTeng氏は指摘する。「損失の頻度と深刻度の双方を理解することで、組織はより情報に基づいた事業判断を下せます」

Forbesのデータでは、CFOの3分の1以上が財務報告の品質を重視していることも示されている。統合的なリスクマネジメント戦略は、経営リーダー、業務チーム、保険会社、その他の外部パートナー間で共有される説明責任を促し、この目標を支えることができる。

「たとえば、ロス・センシティブ・プログラム(損失連動型プログラム)は、事故や負傷を減らすためのリスクマネジメント慣行を優先する組織に対して、保険コストの大幅な削減をもたらす可能性があるように設計できます」とTeng氏は述べる。

年次保険更新の枠を超えて視野を広げることで、組織は安全、損害査定、事業継続、テクノロジー、長期的なリスク低減を軸としたより強固なパートナーシップを構築できる。リスクを完全に排除することはできないが、実務的な手段を講じることで、組織は課題をより的確に予測し、より効果的に対応できるとTeng氏は語る。

「繁栄する組織とは、必ずしもリスクが最も少ない組織ではありません」とTeng氏は言う。「重要なリスクを早期に特定し、迅速に行動する組織であることが多いのです」

forbes.com 原文

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