ロサンゼルスで開催された、誰もが知る大規模なスポーツイベントを成功裏に終え、車で帰路につく道中、私はあるシンプルな真実に何度も立ち返っていた。イベントが成功した理由は、華やかさでも、会場の素晴らしさでも、IDカードに印刷されたロゴでもない。そこにいた「人」だったのだ。
地域のパートナーたちは、あまりに多くの既存の仕組みが怠ってきたことを実践してくれた。彼らは扉を開け、近隣の住民を招き入れたのだ。彼らは、普段は大規模なイベントに関わることがないような人々に、私たちがアプローチするのを手助けしてくれた。彼らが配布したチラシには、ただこう書かれていた。「ロサンゼルス地域での大規模スポーツイベントの運営スタッフ募集」
そして、人々が集まった。皆、興奮と希望を胸にやってきた。若者のなかには、これが初めての仕事だと話す者もいた。彼らは目を輝かせて早めに行動し、何とかやり遂げたいという強い思いから、緊張で体を震わせていた。一方で、生涯働き続け、自分たちの住む地域まで機会が届かないことの厳しさを知る人々もいた。彼らは、地域に雇用をもたらしてくれたことへの感謝を口にした。各シフトの終了時には、心揺さぶられる出来事があった。スタッフたちはただタイムカードを押して帰るのではなく、わざわざ戻ってきて、地域を代表してイベントに参加できたことがどれほど誇らしかったかを語ってくれたのだ。
私が目にしたのは、地域の労働者が誇りとプロ意識、そして熱意を持って現れ、注目を集める大舞台で見事な働きを見せる姿だった。そして彼らは、労働市場における最大の格差が「才能」ではなく「アクセス」の有無であるということを、私に教えてくれた。
なぜ機会を広げることが重要なのか
私たちは、しばしば「近さ」を評価する採用システムを構築してきた。好ましい大学、好ましいネットワーク、好ましい推薦人、そして好ましい言葉遣いへの「近さ」である。私たちはそれを「適性(フィット)」と呼び、「経験」と呼び、「プロフェッショナルとしての洗練さ」と呼んでいる。
しかし私の考えでは、本質に迫ってみれば、それは多くの場合、「あなたのことは知らない。だから賭けはしないし、中に入れるつもりもない」という言葉を体裁よく言い換えたものにすぎない。その一方で、コミュニティ全体には、誰かが最初の一歩を踏み出し、「入っておいで。やってみよう。私たちがサポートするから」と声をかければ、素晴らしい活躍を見せるはずの優秀な人材が溢れている。
私が身をもって体験したことは、研究データによっても裏付けられている。機会は均等に分配されておらず、多くの採用システムは、十分に働く能力を持つ人々を意図せず排除してしまっている。経済学者のマリアン・バートランドとセンディル・ムッライナタンによる有名な実地実験では、白人に多いとされる名前が記載された履歴書は、まったく同じ内容で黒人に多いとされる名前が記載された履歴書よりも、面接の呼び出しを受ける確率が50%高かった。これは、候補者が面接に進む前の段階で、すでに偏見(バイアス)がプロセスに入り込んでいることを意味している。
同時に、雇用主が見慣れている従来の人物像に当てはまらないという理由で、数百万もの人々が見過ごされたままでいる。ハーバード・ビジネス・スクールとアクセンチュアの2021年の共同調査によると、労働市場には2700万人以上の「埋もれた人材(hidden workers)」が存在するという。これは、働く意欲がある、あるいはもっと働きたいと望んでいるものの、同調査によれば「人事部門をサポート・補強することを目的とした採用管理システム(RMS)による自動的なフィルタリングやランキングの結果」、採用システムの初期段階で排除されてしまうことが多い人々を指す。
しかし、同調査では、これらの「埋もれた人材」を採用している企業は、「人材やスキル不足に直面する可能性が36%低く」、「潜在能力、パフォーマンス、そしてイノベーションの向上という恩恵を享受している」ことも明らかになっている。
アクセスの機会を創出するための実践策
ビジネスリーダーにとって、これは単なる社会問題ではない。労働力戦略における課題でもあるのだ。リーダーはどのようにして「誰もが機会を得られる環境」を整えることができるだろうか。単なる善意にとどまらず、プロセスそのものを再設計する必要がある。自社の求人票を見直し、偏見がないかを確認して修正する。採用活動の範囲や方法を拡大する。採用プロセスを明確で温かみのあるものにする。学歴や経歴(ペディグリー)だけでなく、スキルや潜在能力を重視して採用する。そして、可能な限り現実的な障壁を取り除くことである。
忘れてはならないのは、機会とは、お仕着せのスローガンのようなものではなく、「プロセス」であるということだ。誰かを採用した後の「機会」とは、通勤手段の確保や育児支援といった障壁を取り除くことを意味する。また、先入観を持たずに期待する役割を説明してくれるマネージャーの存在も機会の一部である。緊張を弱さと見なさないチームもそうだ。ただ「候補者を調達する」だけでなく、人々に寄り添う方法を知っているパートナーも欠かせない。そして、地域社会への貢献とビジネスの成功が相反する目標ではないと理解しているクライアントも重要である。私たちのプロジェクトは、地域での採用「にもかかわらず」成功したのではない。地域での採用を行った「からこそ」成功したのだ。
人々に真のチャンスを与え、成功するための環境を整え、サポートで包み込むとき、彼らは多くの場合、その期待に応えて成長する。活力をもたらし、献身的に働き、そして感謝と誇りを抱いてくれる。
おわりに
今回のイベントが、そこで働いたすべての人に同じような影響を与えたわけではないかもしれない。中には、単なる一つの仕事としてこなしただけの人もいるだろう。しかし、たとえ一握りの労働者の人生に影響を与え、彼らがより大きな、より良いステップへと進む手助けとなったのであれば、それだけで多くの人々の人生を向上させたことになる。これこそが、私がこの仕事を続け、人材配置(スタッフィング)という仕事を愛する理由である。たとえほんの数人の人生を良い方向へ変えるだけであったとしても、それには十分な価値があるのだ。
組織がアクセスの向上に努めるとき、その影響は連鎖していく。最初の仕事が、次の仕事へとつながる。自信が勢いへと変わる。自分にはできないと思っていた若者が、今ではできると確信する。自分の存在が無視されていると感じていた人が、認められていると実感する。見過ごされることに慣れてしまっていた地域社会が、自分たちも重要な存在なのだという具体的な証しを手に入れる。
私たちには、アクセスに焦点を当てたプロジェクトがもっと必要であり、労働への参加が包摂(インクルージョン)の一環であることを理解する都市や会場がもっと必要である。そして、単なるフィルタリング基準ではなく、人間の持つ可能性を中心に設計されたシステムがもっと必要だと私は信じている。採用において「人間らしさ」を最優先にする組織を必要としている人々は、まだ世の中に数多く存在する。そして何より、機会を得るにふさわしい人々が、まだまだたくさん存在しているのだ。



