気候・環境

2026.07.28 09:15

スーツ姿は日本人だけ 欧州5カ国猛暑下の海外出張で知るべき現実

プレスリリースより(ロンドンのサウス・ウェスタン鉄道の駅ホームに掲示された、猛暑に伴う運行本数削減の案内。熱波時には速度制限や減便が行われる場合がある/写真:ロコタビ登録ロコ提供)

欧州5カ国に共通する熱波対策

調査では各国の事情は異なるものの、海外出張前に共通して確認しておきたいポイントも整理されている。まず重要なのが、宿泊施設の冷房環境だ。客室に個別冷房があるか、宿泊者自身が温度調整できるか、現在正常に稼働しているかまで確認することが勧められている。また、訪問先の会議室に空調設備があるか、ジャケットなしの軽装で訪問して問題ないかを事前に確認することも重要だ。移動については最高気温となる時間帯や、鉄道が止まった場合の代替ルート、給水スポットの場所、美術館や観光施設の営業時間短縮の有無、現地の気象警報なども確認事項として挙げられている。

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さらに、5カ国すべての回答者から共通して聞かれたのが、日本から暑さ対策用品を持参した方がよいという声だった。冷却シート、携帯扇風機、冷却タオル、日傘、UVカット長袖、塩分タブレット、保冷剤など、日本では夏の定番となっている商品も、現地では簡単に手に入らない場合があるためだ。

パリ市内の無料給水スポット/写真:ロコタビ登録ロコ提供

日本も参考にしたい「欧州の夏の知恵」

今回の調査は欧州への海外出張者に向けた注意点をまとめたものだが、現地で暮らす人たちの知恵からは、日本の夏にも通じるヒントが見えてくる。最も暑い時間帯を避けて行動する、気候に合わせて服装を柔軟に選ぶ、必要な暑さ対策用品は自分で備える――。現地では、暑さに合わせて生活や働き方そのものを調整することが、ごく自然な選択になっていた。特に印象的だったのは、ドイツや英国では真夏にスーツ姿で働く人が少なく「スーツを着ているのはほぼ日本人ビジネスマン」という声まで聞かれたことだ。相手先の理解を前提としながらも、無理に日本式を貫くのではなく、その土地の気候や文化に合わせるという発想が定着していることがうかがえる。近年、日本も猛暑が当たり前となりつつある。今回の調査は海外出張時の備えに役立つだけでなく、「従来の常識」にとらわれず、気候に合わせて働き方や暮らし方を柔軟に見直すことの大切さを教えてくれているようだ。

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 出典:世界気象機関(WMO)「Western Europe has hottest June on record」2026年7月9日、WHO欧州地域事務局「Statement – Get prepared: current European Region heatwaves are a dress rehearsal」2026年6月30日。
 
プレスリリース

 

文=福島はるみ

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