気候・環境

2026.07.28 09:15

スーツ姿は日本人だけ 欧州5カ国猛暑下の海外出張で知るべき現実

プレスリリースより(ロンドンのサウス・ウェスタン鉄道の駅ホームに掲示された、猛暑に伴う運行本数削減の案内。熱波時には速度制限や減便が行われる場合がある/写真:ロコタビ登録ロコ提供)

◾️イタリア:猛暑の日は「午前中に動く」が基本

イタリアでは、熱波による健康被害や公共交通機関への影響を挙げる声が目立った。ベネチア在住者は、熱波の深刻さについて次のように話している。「夏はヨーロッパ旅行は控えるべき。熱中症で病院に運ばれる友人や家族を見てきた。私も一昨年熱中症になり救急車で運ばれた。今年は本当によく救急車を見る」。ローマ在住者からは、水分補給についての具体的なアドバイスも寄せられた。ローマ市内には無料で利用できる給水スポットが数多くあり、現地の人は水筒を持ち歩きながらこまめに水分補給をしているという。

advertisement

また、暑さによる交通機関への影響も無視できない。「暑さのために列車、バス等の故障が頻繁になる。既に夏休み用のタイムテーブルで運行数も少なく、公共交通機関の利用はかなり厳しい。タクシーアプリの利用もお勧め」。日本のように鉄道を時間どおりに利用できる前提ではなく、移動時間には余裕を持つ必要があるようだ。

行動は午前中が効率的

イタリアでは、行動時間そのものを見直すことも重要になる。パドヴァ在住者は「一番涼しい時間帯は早朝、午前中に行動を集中したほうが能率が上がる。日が長いため夕方や22時ぐらいまではかなり暑さが残る」と話している。ホテルに冷房があることと、炎天下を歩いて熱中症にならないことは別問題であることから、ミラノやフィレンツェなど複数の回答者も、午前中を中心に予定を組むことを勧めている。

ローマでは無料給水スポットの活用が定着しているほか、地域ごとの生活の知恵も紹介された。「気温が高い割に湿度が低いので高温多湿の日本より過ごしやすい面もあるが、シロッコ(北アフリカからの熱風)とアスファルトの照り返しでサングラス必須(バーリ)」「レストランで注文した水は買ったもの。自分のペットボトルに入れて持ち帰っても構わない(フィレンツェ)」「昼食時に家に帰って休息を取り午後職場に戻る習慣が根付いている。計画を頑固に実行せず臨機応変に(パドヴァ)」「カプリ島など観光地では、バスやケーブルカーのエアコンはほとんど効かない(ナポリ・カプリ)」。

advertisement

暑さの中でも無理に予定どおり動くのではなく、生活リズムそのものを気候に合わせることが、現地では当たり前になっているようだ。イタリア出張について、現地在住者は次のようにアドバイスしている。「公共交通機関や店・レストラン・商業施設と外の寒暖差が激しいため、軽い上着やストールを持ち歩くとよい。ただし時と場所によっては全く冷房が効いていない場合もあるので、その時は耐えるのみ。熱波に関わらず遅延や予期せぬ公共トラブルは日常茶飯事なので、時間にはかなりの余裕を持って行動を」。

次ページ > 午後3時から8時は屋内で過ごすスペインのビジネスマン

文=福島はるみ

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事