気候・環境

2026.07.28 09:15

スーツ姿は日本人だけ 欧州5カ国猛暑下の海外出張で知るべき現実

プレスリリースより(ロンドンのサウス・ウェスタン鉄道の駅ホームに掲示された、猛暑に伴う運行本数削減の案内。熱波時には速度制限や減便が行われる場合がある/写真:ロコタビ登録ロコ提供)

◾️英国:地下鉄の路線選びが重要

英国、特にロンドンでは、地下鉄の冷房事情を指摘する声が相次いだ。ロンドン在住者からは「エリザベスラインなど一部の新しい路線を除き、多くの地下鉄車内には冷房がなく、真夏の日中は35℃を超えることもあり、本当にサウナのような暑さになる。短時間乗っただけでも体調不良になるので、暑い日は徒歩や地上交通を組み合わせたルートを選ぶこともおすすめ。バスも一部を除いて冷房は完備していない」との声が寄せられた。

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ロンドン地下鉄は、路線によって冷房環境が異なる。目的地まで最短で行ける路線を選ぶのではなく、冷房のある路線や地上交通、徒歩を組み合わせることも重要だ。さらに問題なのは、冷房が効く車両に乗れたとしても、列車そのものが止まる可能性があることだ。回答者は「クーラーが効く電車にせっかく乗れても、気温が上がると線路が曲がる上、電源周りの負荷が上がるので、結局、電車が立ち往生する。『暑さ』が理由で電車が止まるのは日本では考えられない」と話している。熱波時には速度制限や減便が実施される場合もあるため、地下鉄や鉄道だけに頼らず、代替ルートを準備しておく必要がある。

B&Bには冷房がないことも

また英国の宿泊施設については「ある程度のホテルは冷暖房が整備されているが、B&Bや簡易宿泊所などにはほとんど冷房がない」との声があった。予約サイトに「エアコンあり」と書かれているかどうかだけでなく、宿泊施設のグレードや建物の種類も見て判断する必要がある。英国の建物や設備は、長い秋冬の寒さに対応することを優先して造られてきた。日本のように長期間にわたって厳しい暑さが続くことを前提とした社会や建物ではない。この構造的な違いを理解せず、日本と同じ感覚で短期出張の日程を組むと、宿泊や移動の場面で想定外の負担が生じる可能性がある。

水筒と日本の冷却用品を用意

一方で、ロンドンでは街中の給水スポットを利用できる。「水分補給スポットはロンドン内ではウォータークーラーなどが街中にあるので、自分で水筒を持参すると便利」。だが、日本のように自動販売機が各所に設置されているわけではない。「飲み物の自動販売機はないので、駅構内など水分を買える所がほぼない(ターミナル駅は別)」。また英国でも、暑さ対策用品については日本からのグッズの持参が勧められている。「冷却シート、保冷剤、メンソール入りボディシート、塩分タブレットなど、日本で当たり前に手に入るものは、ほぼないと思ったほうがいい」との声をぜひ参考にしたい。

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一方、英国では日傘は一般的ではないものの、少しずつ状況は変化しているようだ。ロンドン郊外の在住者は「日傘は一般的ではないが、最近黒い傘をさす英国人も見かけるので、気にせず使って良い」と話している。

スーツ姿は日本人だけ

英国でも、真夏のビジネスウェアについて印象的な声があった。リバプール在住者は「スーツを着ているのはほぼ日本人ビジネスマン。健康上の理由がなければ、涼しげな服装のほうが印象がよい」と話している。日本人の海外出張では、先方に失礼がないようスーツを選びがちだ。しかし、現地では暑さの中で無理にスーツを着ている方が、かえって不自然に見える場合もあるようだ。もちろん、訪問先の業種や企業文化によって許容される服装は異なる。出張前に、ノージャケットや軽装で訪問してよいかを確認しておくことが重要になるだろう。

英国出張について、現地在住者は次のようにアドバイスしている。「日本より湿度は低い一方で日差しが非常に強い。外出時はサングラス、日除け用の帽子、水、濡れタオルかネッククーラー、パラソルなどを携行。保冷剤も持参を。ほとんどの地下鉄車内は蒸し風呂状態で故障も日常茶飯事なので、日中の利用は最低限に留めた方がよい」。

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文=福島はるみ

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