最近の登山を巡るトレンドとして、低い山を軽装で登る「ゆる登山」を楽しむ人たちが増えてきた。
2023年から神戸市が始めた「神戸登山プロジェクト TREK KOBE」では、気軽に山に出かけようという考え方で、本格的な登山者ではなく、よりライトな層に呼び掛けている。
ただ、神戸の市街地の北側に連なる六甲山系は、六甲山最高峰が標高931メートル、摩耶山は702メートルある。海岸からわずか7キロメートルで山頂にいたる急峻な地形に加え、登山道の分岐が多く、道に迷いやすい。山岳救助のためにヘリコプターが年間80回出動するほどだ。
とはいえ、六甲山系を含めた市内全体でみると、約70の登山道がある。そのなかには標高300メートルほどで、いわゆる「ゆる登山」と言えるような、神戸ならではの山から海を見渡す絶景を望める登山コースが多く存在する。
新神戸駅から歩いて約40分の滝山城
そんななか、いま注目を集めているのが、「山城(やまじろ)」に至る登山道だ。
「山城」は、南北朝時代から戦国時代にかけてつくられた軍事拠点で、高低差と地形をうまく利用することで、敵から攻められず、攻撃時には下界にすぐに兵を送り込める天然の要塞だ。
戦国時代に神戸には大きな山城が4つあったとされるが、最大の規模を誇るのが「滝山城(たきやまじょう)」だ。新幹線の新神戸駅から約40分歩くと山頂(標高323メートル)までたどり着く。いわゆる「低山」だ。
1550年頃、織田信長に先んじて畿内を支配していた戦国大名の三好長慶の右腕、松永久秀がここを拠点に、現在の神戸市東部や芦屋市、西宮市、尼崎市という「西摂津」を統治。主君である三好長慶を招いて連歌の会も開かれたと記録に残っている。



