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2026.07.22 13:19

AIが変える「スタートアップで富を築く人」

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長年にわたり、一般の従業員が富を築く比較的確かな方法の1つは、早い段階でスタートアップに加わり、より高い給与の代わりに株式を受け取ることだった。いずれその株式に価値がつく可能性に賭けるわけである。いま、その機会を与えられる若い働き手は減っている。

株式管理会社のaltshareによると、30歳未満の従業員に付与される株式の割合は、過去数年で約8%から3%に低下した。同社は、自社プラットフォーム上の非公開企業3000社超、ステークホルダー12万人のデータからこの数字を算出した。そのうち約60%について年齢情報が登録されている。altshareはスタートアップ株式を管理するソフトウェアを販売しているため、そのデータには利害が伴う。ただし、この数字は外れ値ではない。はるかに大規模なデータセットを用いて労働市場を研究する経済学者らの知見とも一致している。

30歳未満に関する数字は、より大きな変化の一端である。若者は、株式が付与される職に就く機会が減っている。ベンチャー資金は、AIとサイバーセキュリティの一部企業に集中している。そして、企業創業時に生まれる株式は、単独創業者によって運営されるスタートアップが増えるなか、より少ない人数で分け合われるようになっている。これらはいずれも、次の企業群の一部を誰が所有するのか、そしてその取り分がどれほど大きいのかを左右している。

株式は採用に連動する

altshareの創業者兼最高経営責任者(CEO)であるロネン・ソロモンは、この低下が何を意味し、何を意味しないのかについて慎重だ。若い働き手から株式が取り上げられているわけではない、と彼は言う。彼らが、株式を伴う役割に採用される機会が大きく減っているのだ。「若い働き手は、上振れの恩恵から締め出されているというより、そもそもそれを得られる役割に就けていない」とソロモンは語る。チームは小さくなり、ジュニア人材を採る人数も減っている。株式付与は人員数に連動する。エントリーレベルの採用が減れば、30歳未満に渡る株式の割合もそれに伴って低下する。

これは、経済学者らがより広い労働市場で見てきたことと一致する。2025年8月に初めて公表された「炭鉱のカナリア(Canaries in the Coal Mine)」と題された研究において、エリック・ブリニョルフソンが率い、バラット・チャンダルやルユ・チェンらが共同執筆したスタンフォード大学デジタルエコノミー・ラボの研究者らは、数百万人の米国人労働者をカバーするADPの給与記録を分析した。その結果、生成AIが広く普及した後に、最も影響を受けやすい職種において、22歳から25歳の労働者の雇用は、企業固有のショックを考慮した上でなお、年長の同僚と比較して13%減少したことが明らかになった。技術職への一般的な入口であるソフトウェア開発とカスタマーサポートは、最も大きな打撃を受けた職種に含まれていた。同じく影響度の高い職種では、30歳超の労働者の雇用は6〜12%増加した。

株式データはこれと整合する。企業がジュニア人材をエンジニアリングやサポート職に採用していないのであれば、そうしたジュニア人材は、かつてそれらの仕事に伴っていた株式付与を受け取っていないことになる。

資金はAIへ向かっている

ベンチャー資金は一方向に流れている。Cartaの報告によると、2026年第1四半期に同社プラットフォーム上で調達されたベンチャーキャピタルの60%超がAI企業に向かった。これは同社が記録した中で最大の割合である。価格にも集中ぶりが表れている。同じ報告書によれば、AI基盤モデル企業のシリーズAにおける企業価値評価の中央値は約3億ドル(約488億円)だった。これに対し、同じ段階で別分野に取り組む企業は約5500万ドル(約89億5000万円)だった。初期段階の企業価値評価は、AIに限らず全般的に上昇している。シリーズAの企業価値評価中央値は2025年第4四半期に過去最高の7870万ドル(約128億円)に達し、前年比37%増となった。シードの中央値は2400万ドル(約39億1000万円)だった。売り込みにAIを説得力をもって結びつけられる企業は、そうした水準をさらに上回る価格がつく傾向がある。

ソロモンは、資金の集中をリターンの約束と読むことには慎重だ。「集中それ自体は、リターンが強くなることを意味しない」と彼は言う。彼のプラットフォームで見えるのは、投資時点で企業がどのように価格づけされ、所有されているかであり、リターンが確定するエグジット時にどうなるかではない。altshareのデータでは、サイバーセキュリティが最も高い企業価値評価プレミアムを伴っている、と彼は言う。ただし同時に、これらのセクター内にも抑制が見られると指摘する。彼の数字では、典型的なサイバーセキュリティのシリーズAの小切手額はピークから約4分の1低下し、売上高倍率も縮小している。投資家にとって彼が指摘するリスクは、参入時の価格だ。参加するためにプレミアムを支払うことは、その投資が価値あるものになるために必要なリターンを引き上げる。

altshareのある数字は、一見すると他の内容と矛盾するように見える。プレシードラウンドの中央値が過去最高の190万ドル(約3億900万円)となっている点だ。多くの報告書は、初期ラウンドが小型化していると説明している。ソロモンによれば、この2つは両立し得る。彼の190万ドル(約3億900万円)という数字は、プレシードSAFEの中央値を測ったものだ。SAFEは創業者が企業価値評価に合意する前に資金を調達するために使う手段であり、創業者は最初の価格未設定の段階で、より多くの資金を調達することを選んでいる。Cartaのプレシードデータは、典型的なラウンドが縮小している一方で、ごく少数の非常に大型のラウンドが平均を押し上げていることを示している。両者は異なるものを数えているのである。

縮小する創業チーム

企業を始める人々も変化している。altshareが取引する企業のうち、1人で創業された企業の割合は、2021年の約12%から、2025年に設立された企業では約4分の1に上昇した。ソロモンはこの測定基準について、外部資金を受け入れ、資本政策表(キャップテーブル)を作成した企業を設立年別に分類したもの、と明確に定義している。

Cartaによる別のFounder Ownership Reportも、1つの留保を付けつつ同じ方向を示している。同レポートによれば、2024年に同プラットフォーム上で設立された新興企業のうち、単独創業者によるものは約35%を占め、2017年の17%から上昇した。ただし、その後ベンチャーラウンドを調達した企業に限ると、単独創業者の割合は約17%にとどまった。単独で創業することは、資金調達に至る企業の間よりも、法人設立時点ではるかに一般的である。altshareの数字は、最初のSAFEを資金調達として数えており、ハードルは低い。いずれのデータも、創業チームが縮小していることを示している。最も一般的な形態は、依然として共同創業者2人である。

労働者が不利になっているという見方には、反対方向の力もある。創業者は、以前よりも自社の持ち分を多く保持している。各ラウンドで新規投資家に売却される会社の割合を示す希薄化率の中央値は、初期段階全体で低下しており、過去1年で約18%から16%になった。ダウンラウンドは現在ではまれで、条件は概して創業者に有利だ。従業員がそもそもキャップテーブルに載る機会が減る一方で、オーナーはより良い状況にある。

ソロモンはこの方向性に同意しつつ、留保を加える。単独創業者への移行は「現在のAIの波に先行しており、AIはそれを生み出したというより加速させた」と彼は言う。より安価なソフトウェアにより、1人で以前よりも長く、自力で会社を運営しやすくなった。

このうちどこまでがAIなのか

この変化のどれほどをAIのせいと見るべきかについては、議論がある。1つの見方は、ソフトウェアがエントリーレベルの仕事を置き換え始めているというものだ。もう1つは、よりおなじみの理由で採用が鈍化しており、AIがその責任を負わされているというものだ。

Apollo Global Managementのチーフエコノミスト、トルステン・スロックは後者の見方を取る。彼は、エントリーレベル採用の弱さは自動化ではなく、採用も解雇も少ない労働市場を反映していると主張し、AIによる雇用への影響がデータ上そもそも見えるのか疑問を呈してきた。スタンフォードの研究者らは、その反論を検証している。テクノロジーセクターを完全に除外しても、結果は変わらなかった。金利を調整しても同様だった。研究者らは、建設など最も金利感応度の高い産業が、AIへのエクスポージャーが最も低い部類に入ることも指摘している。データを2026年まで延長しても、この傾向は反転していなかった。

この違いは、次に何が起きるかを考えるうえで重要だ。AIがエントリーレベルの仕事をなくしているのであれば、景気が強くなってもそれらの仕事が自動的に戻るわけではない。慎重な採用市場が主因であるなら、状況が緩めば戻る可能性は高い。

ソロモンは、自身をこの2つの立場の中間に置く。彼のデータはエグジットを見ることも、因果関係を証明することもできない、と彼は言う。それが示せるのは、投資家の確信がどこにあり、それにどれほどのコストがかかっているかだ。若い働き手についての彼の説明は人員配置に関するものだ。チームが小さくなり、採用するジュニア人材が減る。そのため、そもそも採用されなかった30歳未満に届く株式が少なくなる。

オプションを軸にした求人を検討している人にとって、この変化は注目に値する。株式付与の価値は、それが会社のどれほどの割合を表すのか、その株式をいくらで購入できるのか、そして会社が売却や上場にどれほど近いのかに左右される。これは、ある仕事を受けるべきかどうかの助言ではない。スタートアップ株式は、一般に語られてきた物語が想定するよりも少ない人数に分配されている、という注意喚起である。

長い停滞期を経てエグジットは持ち直しつつあり、だからこそタイミングが重要になる。Cartaが追跡する企業では、2026年第1四半期に34件の新規株式公開(IPO)があり、調達額は100億ドル(約1兆6300億円)近くに達した。ダウンラウンドは2023年のピークである22%から12%未満に低下している。そうした支払いが実現するとき、それを受け取るのは株式を保有している人々だ。その集団はいま、数年前よりも小さく、年齢層も高くなっており、一般従業員が占める割合は縮小している。

forbes.com 原文

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