そんななか、ローンの運用実績を評価する格付けシステムが注目されている。
格付けシステムを提供しているのは、オーチャード・プラットフォーム。ニューヨークを拠点とするスタートアップだ。
同社が開発したのは、オンライン融資サイトの貸出債権の運用実績を評価するシステムだ。オンライン融資サイトから手に入る限りの運用データを集めて高速処理してパフォーマンスを分析し、投資家に投資判断の材料を提供する。少額ローン界の“ムーディーズ”のような存在だ。
オンライン融資サイトは、ウェブ経由で融資を受けたい個人や小企業と、投資家をつなぐサービスだ。
既存の金融機関のように店舗を構えるコストがかからないぶん、借り手に低金利で融資でき、投資家には高い利息を払うことができるのが、人気の理由だ。
実際、オンライン融資サイトの代表格、プロスパー社が融資先リストを更新すると、投資家たちは先を争って買い注文を入れる。
だが、そこに問題がある。
リスクが高い少額ローンへの投資は、十分な検討が必要なはず。だが売り出すと同時に買い注文が殺到する現状では、慎重に考える余裕はない。
オーチャードはそこに目を付けた格好だ。「革命」「バブル」と、評価が分かれるオンライン融資。オーチャードは革命の担い手となれるか―。