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リーダーシップ

2026.07.21 16:21

素晴らしい人事評価を勝ち取るために、いま始めるべき準備とは

stock.adobe.com

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夏は、年末の人事評価に向けた準備を始める最も賢い時期である。理由はこうだ。どれほど優れたマネジャーでも、忘れることはある。人事評価を書くのは骨が折れる作業であり、忙しい1年に埋もれてしまえば、あなたが輝いた瞬間も、マネジャーの記憶の中ではとっくに薄れているかもしれない。直近の出来事を、年初やそれ以前の出来事より重く評価してしまう「近時効果(リセンシー・バイアス)」は、人事評価ではよく起こる。マネジャーは忙しく、最近の出来事のほうが思い出しやすいからだ。

さらに、高い実績を上げる人の多くは「数字がすべてを物語る」という格言を信じている。しかし実際には、それは他人にデータを評価させ、その人なりの解釈を導かせているということだ。あなたにとっては、自分が高い成果を出す営業チームの一員であることは明白かもしれない。だが、誰もが同じ認識でいると思い込むのは、客観的かつ偏見なく世界をありのままに見ていると信じ込んでしまう傾向である「素朴実在論(ナイーブ・リアリズム)」にほかならない。

マネジャーとの面談が予定されている1週間前まで、認識をすり合わせるのを待ってはいけない。優れた評価指標を達成し、数値目標をクリアするために努力することと並行して、この夏の時期を利用して、自分がチームにもたらしている価値についての自分の見解を、自分だけでなく同僚やマネジャーにも確実に理解してもらうようにしよう。

夏のうちに年末の人事評価に備える方法

実績の数字に語らせるだけにしていると、実際には他人があなたについて好き勝手なストーリーを語るのを許してしまうことになる。高い実績を上げる人の多くがこの罠に陥るのは、自慢話をしたくないからだ。特に自分の実績がテーマの場合、自慢することと自分の視点を主張することの違いを区別するのは難しいかもしれないが、この2つは異なるものだ。

ここで役立つのが、リーダーシップ・ストーリーテリングである。リーダーシップ・ストーリーテリングとは、単に出来事を語り直すことではない。自分の視点を意図的に主張することである。仕事におけるストーリーテリングは、出来事に意味を与え、その中での自分の役割を理解する助けになる。特に忙しいとき、私たちはただ一つの会議から次の会議へ、一つの出来事から次の出来事へと目まぐるしく移動しがちだ。

しかし、立ち止まってより本質的な問いを投げかけるのはいつだろうか。見落としているパターンはないだろうか。立ち止まって仕事の意味を振り返ることは、年末の人事評価に備えるうえで大いに役立つ。それによって、現在の自分の立ち位置と、これから目指したい方向が見えてくる。SJ・マレー教授は、古代の哲学者セネカが「深い内省の恩恵を、ミツバチが花蜜を蜂蜜に変える錬金術に例えた」ことについて書いている。人生の生の素材(経験)を振り返ることで、それをより強力で意味のあるものへと昇華させる機会が得られるのだ。

人事評価の準備に役立つ、シンプルなストーリー発掘ツール

そこで、少し時間を取って「IRS」に取り組んでみよう。もちろん、米内国歳入庁(IRS)のことではない。ストーリー発掘(Story Discovery)におけるIRSの意味は以下の通りだ。

I = Incident(出来事)

  • この6カ月間の仕事の中で、どのような出来事があっただろうか。大きな商談の成立から、チームミーティング中の気まずい沈黙まで、何でも構わない。大小さまざまな瞬間、そしてポジティブなやり取りとネガティブなやり取りの両方を振り返ってみよう。

R = Reflection(内省)

  • 内省こそが、出来事をストーリーへと変化させる。その出来事について、少し時間を取って振り返ってみよう。自分自身の視点と他者の視点の両方から考えてみるのだ。「何が自分を不安にさせたのか?」「何に驚いたのか?」「それはなぜか?」といった問いを自分に投げかけてみよう。

S = Significance(意義)

  • だから何なのか。この経験は何を意味するのか。このストーリーを聞くことで、誰が関心を持ち、誰が恩恵を受けるのか。あなたのパフォーマンスを評価する人にとって、それはどのような意味を持つのか。

IRSストーリー発掘ツールを用いた中間人事評価の振り返り例

Incident(出来事):

  • 重要度の高いピッチプレゼンの場で、見込み客から倫理に関する質問が出たが、営業チームの誰も十分に答える準備ができていなかった。あなたは前に出て、自社の価値観に基づき、精一杯その質問に答えた。

Reflection(内省):

  • 「完璧な」答えを持ち合わせていなかったため、非常に気まずい思いをした。いつもならすべての答えを用意しているからだ。しかし、見込み客が困難な質問を投げかけてきたときに、真摯に向き合うことは、「正しい」答えを持っていることと同じくらい重要かもしれないと気づいた。

Significance(意義):

  • 見込み客とのやり取りでは、「何を」伝えるかだけでなく、「どのように」向き合うかも重要である。完璧な答えは持っていなかったとしても、あなたは見込み客の懸念に丁寧に耳を傾け、それに応えようと最善を尽くした。

このような出来事については、他人に都合のいいナラティブ(語り口)を作られる前に、自分でストーリーを形作ることが重要だ。すべてのリーダーは主体的に行動し、常に先手を打つ必要がある。このシナリオでは、営業会議に複数の人が同席していたため、他のチームメンバーも(たとえ無意識であっても)それぞれのストーリーを作り始めてしまうからだ。

ストーリー発掘が年末の人事評価の準備にどう役立つか

上記の例の営業担当者がIRSストーリー発掘ツールを使っていなければ、この出来事をなかったことにしようとしたかもしれない。自分を含め全員がそのことを忘れ、マネジャーが優れた売上数字だけで自分を評価してくれることを願っただろう。しかし、時間を取ってその出来事を特定し、振り返ったことで、彼女はその中に意義を見出した。彼女は今、そのストーリーを自分で形作る力と時間を得たのだ。

気まずい会議を恐れるのではなく、彼女はその経験を利用して、チームが他の見込み客との信頼関係を築くのに役立つリーダーシップのストーリーを共有している。同時に、彼女は自身の視点を主張している。たとえ手元に完璧な答えが用意されていなくても、自分は有能な営業担当者であり、チームリーダーになれるのだ、と。

今すぐ人事評価の準備を始めるべき理由

人事評価までまだ4〜5カ月ある今なら、じっくり振り返り、評価面談で伝えたいストーリーを構築する時間がある。評価の1週間前になってから、過去1年間の実績を思い出すために古いメールやカレンダーの予定、Slackのメッセージを慌ててあさるような事態は避けたいものだ。今すぐ主体的に動き、自分に関する正しいストーリーを伝えられるようにしよう。マネジャーがあなたの努力やスキル、そして成功に自然と気づいてくれるのを、ただ待っていてはいけない。

人事評価において指標や目標は常に重要だが、数字だけで判断力や成長、リーダーシップを測ることはほとんどできない。そして、それらこそが「まずまずの1年」と「素晴らしい1年」を分ける要素なのだ。だからこそ、この夏、あるいはプレッシャーが少ない時期に少し時間を取って、実際に起きたことを振り返り、そこに意味を見出し、マネジャーに聞いてほしいストーリーを形作り始めよう。未来の自分が、今のあなたに感謝することになるはずだ。

forbes.com 原文

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