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AI

2026.07.21 15:46

AIの「ストーリーテリング」問題を克服する、音楽業界からの教訓

stock.adobe.com

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AI(人工知能)は、まだ構想すらされていない産業の創出を促している。その顕著な例が、新技術によって形づくられながら発展してきた音楽業界である。

そう語るのは、アーティストであり、AI推進派でもあるwill.i.am(ウィル・アイ・アム)だ。スイスのジュネーブで先頃開催された「AI for Goodサミット」で発言した。will.i.amは、国際電気通信連合(ITU:デジタル技術を扱う国連専門機関)が主導する世界的な取り組み「AI for Goodスキル・コーリション」の親善大使を務めており、世界中、特に困窮地域の子どもたちを対象に、AIスキルの学習と開発を推進している。AI for Goodサミットは、ITUに加えて国際電気標準会議(EIC)も後援している。

大規模言語モデル(LLM)という頭字語は「live with love mechanism(愛を持って生きるための仕組み)」を意味すべきだ、とwill.i.amはAI for Goodの記者会見で訴えた。「AIはどの『イズム』に沿うのか。AIは資本主義の主体なのか。共産主義なのか。人種主義なのか。社会主義なのか。それともヒューマニズムなのか。ヒューマニズムであるなら、私たちは大丈夫だ。大切なのは、共感を持つこと、思慮深くあること、寛容であること、愛、忍耐、理解、好奇心、問題解決への切迫感である。AIが属すべき唯一のイズムはヒューマニズムだ」

重要なのは、AIがまだ具現化し始めたばかりの新しい産業の成長を促している点だと彼は指摘する。例えば、AIが音楽やアートにおけるクリエイティブな才能を脅かす存在と見なされていることについて、彼はこれを「ストーリーテリングの問題」だと指摘した。「モデルを構築している人々は、学校で教育を受けた研究者たちだが、芸術については学んでこなかった」

テクノロジー主導のイノベーションの歴史を振り返り、「トーマス・エジソンは技術者だけでなく、芸術分野ともコラボレーションした」と彼は指摘した。「レコード盤の開発は、まったく新しい芸術産業を生み出した。グラミー賞(Grammy)のトロフィーは、最初のハードウェアである蓄音機(gramophone)の形をしている」

今日のAIテクノロジーは驚異的であり、「ある意味で、開発者たちもそうだ。彼らは私と同じようにアーティストなのだ。私がミュージシャンであるのは、音楽をサンプリングしているからだ。あらゆるものはサンプルのサンプルの、そのまたサンプルのサンプルなのだ。だから、私たちが開発者を批判できるだろうか。彼らもあらゆるものをサンプリングしているにすぎない」

問題なのは、「開発者というアーティストを取り巻くストーリーテリング」が欠けていることだと彼は続けた。そして、これは一時的な問題だと付け加えた。音楽においては、シンセサイザーやドラムマシンといったテクノロジーの発展から、まったく新しいジャンルが誕生した。
AIにおいては、そのジャンルはまだ不透明だが、徐々に現れつつある。「新しい技術が世に出るたびに、新しいジャンルが生まれ、新しい産業が生まれる」

グラミー賞受賞ミュージシャンであり、ブラック・アイド・ピーズ(Black Eyed Peas)の創設メンバーでもあるwill.i.amは、教育とスキル開発を通じて、デジタルとAIの公平性を促進することを目指している。彼の基金「i.am Angel」は、支援が不十分なコミュニティにおいて、STEAM(科学、技術、工学、芸術、数学)教育、AIリテラシー、ロボットプログラマーの育成を支援している。

forbes.com 原文

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