「What Holds Us」は9月13日まで、以前は映画館だった中世の建築物で開催されている。その個展で来場者を出迎えるのは、エントランスに置かれた巨大な玄武岩の彫刻だ。
14世紀に造られた壁に、安定感のないバランスで寄りかかっている。(建造物を支えるという)伝統的なカリアティード(女像柱)とは役割が逆になった(古代の石造建築に支えられている)それらの像は、訪れる人たちに静かに語りかけている。その他には、巨大なテラコッタがトランプのカードで作られた家のように、互いにバランスを取り合いながら置かれている。
そして、この個展の最も主要な作品が、その中を歩いて通る、または「はって進む」ことができる「Innercity」だ。段ボールで作られた15の大きな解剖学的な構造物、「Body Buildings」(ボディ・ビルディング)が迷路を作り出し、来場者はそこで、子どもの喜びがある世界を再発見することができる。
なお、ゴームリーの作品の評価は高く、この個展に出品されている彫刻には25万~97万5000ポンド(約5500万~2億1300万円)の値がつけられている。
開催中の個展が表現するものとは
「What Holds Us」は、ゴームリーが長年にわたって続けてきた活動にふさわしい表現だ──彼の作品の数々は、常に人間の状態に深く根差し、同時に空間と物質、そして私たち自身を新たな視点で体験させる方法を表し続けている。
私が直接向き合ったゴームリーは、その作品から受ける印象そのままの人だった。並外れて能弁で、非常に哲学的であり、その好奇心は尽きることがなさそうだ。
ゴームリーは彫刻と建築、アーバニズム、彼自身のすべての作品に命を吹き込んできた「生きているとはどういうことか、私たちは自然や環境との関係においてどのような位置付けにあるのか」という根本的な問いの間を、苦もなく行き来し続けている。
──最初の展示スペースの玄武岩の作品は、どのようなきっかけで制作に関心を持たれたのですか?
人間の倍ほどの大きさがあり、カリアティードとは逆の働きをする3体の火山岩の像で、この展覧会を始めたいと考えました。私たち全員、あるいは大半がいま暮らしている世界で、人体はいかに建築に組み込まれてきたのかという問いに、それら3体の像を通じて立ち返ってみたいと思ったからです。
3体は人体を象徴するものでも理想化するものでもなく、物語るものでもなく、構築環境に対する私たちの依存を表しています。両側面の処理に機械を使用したこれらのラフブロックが、これほど感情を表現するとは思っていませんでした。
これらの作品に心を動かされるのは、その大きさと脆さの間にある不思議な緊張感のためであり、それらが14世紀に造られた壁への依存を受け入れているからでもあります。ごくシンプルに、ただ積み上げただけの火成岩でありながら、いろいろな感情を呼び起こすものだと思います。どの像も非常に大きいのですが、それぞれが異なった形で、不確実性を表しています。


