サイエンス

2026.07.23 18:00

史上最凶の牙を持つスミロドン、噛む力はイエネコ並みだったと判明

スミロドン(stock.adobe.com)

スミロドンは、更新世の南北アメリカ大陸に生息していたが、今から約1万年前に地上から姿を消している。この絶滅は、「メガファウナ」と呼ばれるマンモスや巨大な地上性ナマケモノなど大型の動物相が大量絶滅した時(第四紀の大量絶滅)の一例だった。

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この絶滅が起きた原因については、いまだに結論が出ていない。2018年に『Nature Communications』に掲載された研究では、スミロドンの個体数の推移を、氷河期に生きていた他の大型動物と比較した結果、人間の狩猟圧との関連性がより高いことが判明した。一方、同時期に生きていた他の大型動物では、最終氷期の終わりに起きた気候変動との関連性が高いものがあるという。これは、「氷河期に生息していたメガファウナが絶滅した原因は?」という問いへの答えが、一つに絞りきれない可能性があることを改めて示す研究結果だ。

加えて、スミロドンの噛む力が正確にどれほど弱かったのか、個体差がどれほどあったのかについては、いまだに真剣な議論がある。実際、ある程度幅のあるパターンに関してはコンセンサスがあるものの、すべての生体力学モデルからはじき出された数字が完全に一致しているわけではない。

一方で、より大きな視点に立ったこの動物の生態に関しては、見解はある程度一致している。つまり、殺傷能力を担うのは肩や前脚の力であり、牙の生えたあごは、「(狩猟用の)トラバサミ」のように獲物を挟み込むのではなく、とどめを刺す際にメスのように鋭い切れ味を発揮していたという、スミロドンの姿だ。

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スミロドンの分析が、トリビアの域を超えて、真の意味で既成概念を修正したのは、まさにこの点だ。つまり、ある動物が他の動物を殺傷するための武器は、最大の、あるいは最強の部位である必要はない、ということだ(ただし、この武器をサポートする適切なメカニズムと組み合わされる必要はある)。

こうした仕組みは、収斂進化により、動物界の至るところで、異なる系譜において生まれ続けている。なぜなら、特殊な機能が、単一の形質によって生じることはまれだからだ。そうした特殊な機能が生まれるためには、その形質を機能させるための、体全体の連携が必要なのだ。

forbes.com 原文

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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