多くの人は自分の気分に最も大きな悪影響を与えているネット習慣は個人的なものだと考えている。画面のスクロールのしすぎやコメント欄での頻繁な主張、悪いニュースの見すぎなどだ。だがネットの使用とウェルビーイングの関係を最も包括的に調べた最近の研究の1つである、英オックスフォード大学ウェルビーイング研究センターと米ギャラップ社による『2026年世界幸福度報告書』は関係性はそれほど明確なものではないことを示している。最も重要な習慣は実のところ全く個人的なものではなく、周囲の人に合わせて自分のネット上の行動を無意識に調整する習慣だ。
ネット使用を周囲に合わせる習慣
周囲に歩調を合わせること、つまり「自分と同じような人たちがどれほどネットを使用しているか」に追随する姿勢は、どの程度のネット使用が普通で健全、あるいは想定されるものなのかを判断する目に見えない基準として機能する。専門誌『Frontiers in Psychology』に2024年に掲載された研究でも、若者の間では仲間の行動に対する認識が投稿の量や反応、ネットに留まる時間と密接に関連していることが分かった。
幸福度報告書を作成した研究者たちは、若者に限らずあらゆる年齢層で同様の傾向があることに気づいた。同じ1時間のネット利用でもある人にとっては害がなく、むしろ有益でさえある一方で、別の人にとっては静かに幸福感を蝕むことがある。これは、その人と付き合いのある人たちの間でどの程度ネットの過剰な使用が一般的なのかにほぼ完全に左右される。
仲間内でソーシャルメディアの利用がまだ比較的珍しい場合、ネットに留まる時間が長いほどウェルビーイングがわずかに向上する傾向がある。しかし、仲間のネット利用が一定の閾値を超えると、同じ1時間の利用でもウェルビーイングの低下と結びつき始め、過剰な使用が一般化するほどその影響は強くなる。
これは「ネット使用は悪いもの」というよくある主張に重要な視点を加えるものだ。悪影響は個人とスマホの間だけのものにとどまらない。期待という形で社会的に伝染するものでもある。言い換えると、誰もが付き合いのある人たちの間で当たり前になったネットの利用量に静かに自分を合わせているのだ。



