ディズニーにとって、名作アニメーションの実写化ほど浮き沈みの激しい映画ジャンルは他にほとんどない。昨年だけでも、『リロ&スティッチ』が興行収入10億ドル(約1620億円)を記録し、アニメの原作と同じくらい愛される作品となった一方で、『白雪姫』は推定1億7000万ドル(約276億円)の赤字を出し、相次ぐ否定的な報道によってスタジオに暗い影を落とした。そして、ディズニーのラインナップに加わった最新作は、あまりの批判の厳しさから、いっそ人工知能(AI)で作った方が良かったのではないかという疑問さえ浮上しており、『白雪姫』の不名誉な王座を脅かそうとしている。
問題の映画とは『モアナと伝説の海』だ。本作では、新星のキャサリン・ラガアイアが、一族に繁栄を取り戻すため、ドウェイン・「ザ・ロック」・ジョンソン演じる半神半人のマウイとともに航海の冒険に出るポリネシア人の少女モアナを演じている。ジョンソンは、2016年の全編コンピュータアニメーションによるオリジナル版でも同役の声優を務めたが、2つの作品の類似点はそれだけにとどまらない。
本作は本日公開されるものの、独創性の欠如についてすでに批評家から酷評されている。「映画の大部分がショットごとに、またセリフの一言句に至るまで、文字通りのクローンだ」と『デッドライン』は報じた。同様の理由から、『デジタル・スパイ』のレビューは本作を「これまでで最も無意味なディズニーの実写リメイク」と評し、『ザ・ラップ』にいたっては「同じ映画だが、ディズニーはあなたにもう一度金を払わせたいのだ」という見出しを掲げてこの点を強調した。
こうした冷ややかな視線はレビュー全体に共通しており、エンタメジャーナリストたちは、2024年に続編もヒットしたオリジナル版からさらに金を搾り取るために、間を置かずに実写リメイクが公開されたと指摘している。「ディズニーの歴代作品の実写リメイクは、すべて『なぜ』という疑問を抱かせる」とデッドラインは記し、さらに「『金になるから』というのが答えだが、それは明白であると同時に気の滅入るものだ」と付け加えた。
おそらく最大の皮肉は、ディズニーが『モアナと伝説の海』で利益を上げるどころか、損失を出す軌道に乗っている可能性があることだ。
実写化はかつて、手軽にヒットを狙える興行手段だった。しかし、それが一般的になるにつれ、映画会社が成功を収めるためには、ますます細い綱渡りを強いられるようになっている。一方で、原作から離れすぎれば、オリジナル版のファンを遠ざけるリスクが高まる。もう一方で、原作に忠実であればあるほど、新しい要素が何もないと非難されるリスクが高まるのだ。
これは、観客が一本ごとに料金を支払うことなく映画をストリーミング配信で視聴することに慣れた、パンデミック後の現象でもある。これにより、消費者は劇場で料金を払って観る映画を以前よりもはるかに厳選するようになった。ディズニーの実写リメイクは子ども向けに作られているものの、当然ながらチケットを購入するのは親である。そのため、この厳しい経済情勢においては特に、親が映画のビジュアルを気に入らなければチケットを買うことはない。これはディズニーにとって特有の問題でもある。なぜなら、愛らしくデフォルメされたアニメーションのキャラクターは、一般的に実写の設定にうまく馴染まないからだ。
『リトル・マーメイド』は、海底世界に住む生き物たちの不気味な姿に批判が集中した。「こうした描写には、不安を呼び起こす何かがある」と『Vox』は記した。「笑顔を執拗に捉え続ける長いショットや、小さな口が不自然に歪んでいるせいかもしれない。コンピュータで生成された動物の皮の下に、何か不気味なものが隠れているかのようだ。それも、彼らが歌ったり踊ったりし始める前の段階での話だ」
同様に、『モアナと伝説の海』でのジョンソンの容姿も、ネット上で広範な批判と嘲笑の的となっており、特にマウイの長い巻き毛に対して大きなからかいの波が起きている。目ざとい視聴者からは、ウィッグが不自然で安っぽく見えるという不満が噴出している。ジョンソンが筋肉質の体型であるにもかかわらず、マウイの巨大なプロポーションに合わせるために、映画の中でプラスチック感のあるボディスーツを着用していることが、その不自然さをさらに際立たせている。これは、あまり好意的に受け入れられていないようだ。
興行収入は惨敗か?
当初の予測では、『モアナと伝説の海』の全米オープニング興行収入は8000万ドル(約130億円)から1億500万ドル(約170億円)と堅調なスタートを切るとみられていた。しかし、映画批評集積サイト『ロッテン・トマト』で平均支持率がわずか38%という、批評家からの容赦ない酷評を受けて、その予測は沈んでしまった。
『バラエティ』によると、追跡サービスの現在の予測では、本作の実際のオープニング興行収入は6000万ドル(約97億4000万円)から6500万ドル(約106億円)の間になるとみられている。これはオリジナル版のオープニング興行収入5600万ドル(約90億9000万円)を辛うじて上回る程度だ。さらに、最初の3日間で1億3970万ドル(約227億円)という巨額の全米興行収入を叩き出した『モアナと伝説の海2』の足元にも及ばない。
しかし、バラエティの報道は、一部の興行関係者が『モアナと伝説の海』の全米オープニング興行収入がわずか4000万ドル(約65億円)にとどまる可能性を懸念していると警告している。海外市場から見込めるのが最大でも7500万ドル(約122億円)であるため、世界累計のオープニング興行収入はわずか1億1500万ドル(約187億円)となる。映画会社の手元に残る興行収入は約半分であるため、興行収入が通常ピークに達する公開初週末において、ディズニーが得られる額はわずか5800万ドル(約94億2000万円)ということになる。
バラエティは、ディズニーの巨額のグローバル・マーケティング費用を除いても、本作の制作費が推定2億5000万ドル(約406億円)に上ることを踏まえ、この結果を「破滅的」と表現した。これは、投資家にとって興行収入がすべてではないという有益な教訓となる。先月、ディズニーは2026年に世界累計興行収入が30億ドル(約4870億円)を突破した最初のハリウッドの映画会社になったと豪語したが、『モアナと伝説の海』のような注目作で最終的に赤字を出すことになれば、その実績も虚しく聞こえる。
予算が高ければ高いほど、映画が損益分岐点に達するために必要な観客動員数も多くなる。『モアナと伝説の海』が彼らを引きつけるためには、大きな波を起こす必要があるだろう。
その証拠は、インターネット検索大手のグーグルの情報に基づく以下のグラフに示されている。同社の『グーグル・トレンド』サービスは、検索頻度の高いクエリの人気度を分析するが、結果は特定のキーワードの具体的な検索数を示すものではない。代わりに、グラフ上の各数値は、0から100の尺度で他の数値と相対的に比較される。スコア50は、検索数が人気のピークを示す100に達した時点の半分であったことを意味する。対照的に、スコア0は、指定された期間内における検索数が最も少なかったことを表す。
グーグルは年間5兆件以上の検索を処理しており、90%の市場シェアを誇るため、結果はこれ以上ないほど網羅的だ。極めて重要なのは、グーグル・トレンドは大文字と小文字を区別せず、世界中の検索問い合わせを表示するため、可能な限り多くの検索を捕捉している点だ。
検索を今年の実写版『モアナと伝説の海』に絞り込むことも可能だが、長期にわたるフランチャイズの人気を最も明確に把握するために、最も論理的なキーワードは単に「Moana」とすることだ。結果を見ると、実写版の公開にもかかわらず、7月中の「Moana」の検索数は、第1作目と第2作目がデビューした直後の2016年12月や2024年12月に比べてはるかに少ない。前者はグーグル・トレンドのスコアが90、後者は100に達したのに対し、現在はわずか48にとどまっている。
確かにまだ月の上旬ではあるが、映画は本日公開されるため、検索数が急増することが期待されるはずだ。形勢を逆転させる時間はまだあるが、果たしてそれができるかは未知数だ。
2億5000万ドル(約406億円)の疑問
現在、観客が『モアナと伝説の海』をあまり検索していないのには、もっともな理由があるのかもしれない。この映画に対する需要がないのだ。アニメのオリジナル版がデビューしてからそれほど時間が経っておらず、その実写版は新しい試みを何もしていない。では、とりわけ仕上がりがAIによる制作物と何度も比較されている中で、わざわざ2億5000万ドル(約406億円)もかけて実写映画を制作する意味はどこにあるのだろうか。
『デイリー・テレグラフ』は、アニメのシーンをAI動画生成ツールに入力しただけのように感じられると皮肉を交えて報じ、デッドラインは「AIとほとんど区別がつかないアニメーション」と評した。『マッシャブル』はさらに「見慣れたものと、どこか違和感のあるものが不安をかき立てるように混ざり合っており、私の中に『AIのゴミ(AI slop)』に対するものと同様の拒絶反応を引き起こした」と付け加えた。
冗談はさておき、原作をまったく変更しない実写化映画を作るのであれば、ディズニーはAIを使った方がまだましだったかもしれない。
要するに、生成AIは大量の既存データから学習したパターンに基づいて、テキスト、画像、音声、動画などのコンテンツを作成することができる。構成要素が既存の映像から得られるため、写真のようにリアルな動画を作成でき、プログラムは言葉、ピクセル、音といったシークエンスの次の要素を予測することもできる。
何十億ものオンライン動画を参考にできる生成AIプログラムは、あらゆるシーンをわずか数秒で作成できる。従来の動画制作者や視覚効果(VFX)アーティストのように、一連のシーンの各フレームを3Dでレンダリングしているわけではない。その代わりに、AIプログラムはフレームがどのように見えるかを予測し、ユーザーは求めている内容を説明するテキストプロンプトを入力するだけでよい。プロンプトが詳細かつ正確であるほど、結果は要求に近くなる。
このことが、いわゆる「AIのゴミ(AI slop)」の氾濫を招いている。それは、『スター・ウォーズ』に出演するエルヴィス・プレスリーから、WWEのレスリング試合で勝利するスティーヴン・ホーキングまで、あらゆるものを映し出した奇妙な動画だ。クリップの多くは、完全に人工的であるにもかかわらず、現実と区別がつかない。これが映画界に暗い影を落としている理由であり、その影響力は増すばかりだ。
未来への道
昨年、ロンドンに拠点を置くプロダクション「パティクル6」は、写真のようにリアルなAI女優「ティリー・ノーウッド」を発表し、ほんの数日前には、そのキャラクターが出演する初の映画(『Misaligned』というタイトルのコメディドラマ)を発表した。この突然の関心の理由は、ユニークさだけではない。ボタンを押すだけで、キャラクターの髪の色、肌の色、目、アクセントを簡単に変更できる。メイクもトレーニングも必要ないため、低コストで驚くべき汎用性を発揮する。
不気味であることは間違いないが、AIに巨額の資金が投資されていることを考えれば、これが未来への道であるように思われる。当然ながら、多くの俳優が反発しており、『メリー・ポピンズ』で主演を務めたエミリー・ブラントは、ノーウッドに関するニュース報道を見せられた際、「なんてこと、私たちはもうおしまいね」と語った。「本当に、本当に恐ろしい。エージェントの皆さん、そんなことはしないで。お願いだからやめて。私たちの人間的なつながりを奪うのはやめてください」
対照的に、多くの映画監督はメリットを見出し、AIへの支持を表明している。「映画制作者として、この分野に興味を持たない理由が分からない。カメラに匹敵するようなツールであることは明らかだ。CGIよりも優れたものになるだろう」と、映画『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のギャレス・エドワーズ監督は最近語った。さらに、ピーター・ジャクソン監督は「まったく嫌いではない。私にとっては、単なる特殊効果にすぎない」と付け加えた。
一部の俳優は、AIに対して諦めの念を口にしている。「AIはすでにここにある。だからそれに立ち向かうのは、負け戦に挑むようなものだ」とデミ・ムーアは語った。「AIの活用の場はあると感じている」とサンドラ・ブロックは付け加えた。「それはすでに存在している。私たちはそれを見つめ、理解し、受け入れなければならない。極めて建設的かつクリエイティブな方法で活用し、味方にする必要がある」
俳優やスタジオがそうしなくても、ファンが勝手にやってしまうかもしれない。マシュー・マコノヒーが最近説明したように、AIを使えば、ファンは許可を得ることなく、地球の反対側から個人のイベントに映画スターをデジタル合成で登場させることができるのだ。
AIプラットフォームを味方につけようと、ディズニーは昨年、OpenAIの動画生成ツール「Sora」との提携を発表した。この提携は今年初めに同プラットフォームが閉鎖されたことで立ち消えとなったものの、ディズニーは依然として同様の契約を結びたいと考えていると報じられている。他の映画会社は、すでに別の形でAIに関する契約を締結している。
マイケル・ケインの声がAIで再現され、今月の映画公開に合わせて発売される『オデュッセイア』の新作オーディオブックのナレーションに使用された。同様に、Netflixは、ウィリー・ウォンカのコンペティション番組のために、亡き名優ジーン・ワイルダーの声を再現した。いずれのケースでも、事前に適切な許可が得られており、故ヴァル・キルマーのAIによる演技をフィーチャーした映画『As Deep as the Grave』の制作においても同様だった。映画製作者たちは、彼の過去の映像、写真、音声データを使用して、その演技を作り上げた。
人工知能による、実際のコスト削減
AIが収益に与える影響の指標として、ディズニーのピクサー部門が1995年の『トイ・ストーリー』を制作する際、11万4240フレームのアニメーションを作成するのに80万マシン時間を要したことを考えてみよう。しかし、AI動画生成ツールを使用すれば、ハイエンドのクラウドサーバー群において、同様の長さとビジュアル水準のコンピュータアニメーション映画を約400分で作成できる。もしプロジェクトを映画1分ごとに個々のハイエンドGPUノードに分散させれば、映画全体を10分未満でレンダリングすることが可能だ。しかし、話はそれだけでは終わらない。
ただ単に「生成(generate)」ボタンを押して放置するだけでは、出来上がった映画には重大な制作上の問題が生じることになる。例えば、あるキャラクターが映画の冒頭では特定の服装をしていても、結末ではまったく異なる外見に変形してしまう可能性がある。同様に、部屋のレイアウトが変わってしまうこともあり、AIは映像と音声を別々に生成するため、あらかじめ録音された音声トラックに合わせて唇の動きをフレーム単位で手作業で一致させる必要がある。
AIプログラムの「事前学習」によって、こうした問題の多くを解決できるが、引き換えに、プログラムが本来避けるはずの作業を一部行う必要が生じる。例えば、正確な物理演算、深度マップ、カメラワークを備えた3Dワイヤーフレームのアニメーション骨格を事前学習済みのAIに提供すれば、プログラムはその上にテクスチャ、ライティング、写真のようにリアルな肌をレンダリングするだけで済み、最終的な仕上がりは格段に安定する。しかし、これにはAIが稼働する前に、ワイヤーフレームの骨格、深度マップ、カメラワークを作成・計画しておく必要がある。
もちろん、その性質上、こうした動画が作成されるたびにAIは毎秒学習しているため、処理時間と出力のクオリティは向上し続けている。
それでも、AIの事前学習にかかる時間は、『トイ・ストーリー』のように各フレームを一からレンダリングしたり、『モアナと伝説の海』のように一から撮影したりするよりも大幅に短くて済む。全編がコンピュータアニメーションであるオリジナルの『モアナと伝説の海』を動画生成ツールに入力すれば、プログラムには十分すぎるほどの情報が提供されることになる。特に、最終的な仕上がりがオリジナルと変わらないように指示すればなおさらだ。ディズニーが実写化に費やした費用の数分の一に抑えられ、見た目も良くなる可能性がある。もし出来栄えが悪ければ、ディズニーがすべきことは、いくつかのプロンプトを入力してプログラムを再実行することだけだ。
確かに、それは怠慢かもしれないが、オリジナル版をショットごとにそのままコピーするのも同様に怠慢だ。実写版に登場する動物のすべてがリアルに見えるわけではなく、モアナの相棒であるニワトリのヘイヘイは、明らかにコンピュータで生成されたように見える。皮肉なことに、実写のようにリアルな背景に明らかにコンピュータ生成されたキャラクターを挿入することは、まさに「AIのゴミ」動画で見られるようなものだ。
最終的に、AIバージョンはコストが劇的に低いため、利益を上げる可能性がはるかに高く、株主の資金を無駄にするリスクも低くなる。ファンが自分でAIを使って映画を作ることができる時代において、ディズニーがこれを行わないことは、アマチュアのクリエイターに先を越される隙を与えることになる。言葉を換えれば、どちらに転んでも損失しかない状況だ。
人間よりもコンピュータの方がうまくできることがあるのは公然の事実であり、アニメーション映像を実写に変換することはAIの強みの1つだ。もちろん、AIを使うことだけが唯一の解決策ではない。もう1つの選択肢は、細い綱の上を渡りながら、実写映画化することの妥当性を示す方法で原作にアレンジを加えることだ。もしそれが正当化できないのであれば、そもそも実写版を制作すべきかという疑問が生じる。これこそが、一部の批評家が『モアナと伝説の海』について問いかけるべきだったと指摘している疑問そのものだ。



