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2026.07.21 08:24

エヌビディア、AI、そして新たなテックスタック——今回のサイクルが違う理由

Adobe Stock

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筆者は、エヌビディアのCEOであるジェンセン・ファンと何十年にもわたり親交を結ぶ機会に恵まれてきた。彼がエヌビディアを起業する前からの知り合いであり、同社を立ち上げた際にブリーフィングを受けた数少ないアナリストの1人でもある。

当時から、彼は常にその場で誰よりも聡明な人物だった。筆者は彼が描くエヌビディアのビジョンに驚嘆し、彼が筆者の人生において最も重要なテックCEOの1人へと昇り詰める姿を見守ってきた。長年にわたり筆者が学んだことの1つは、彼が語るとき、特に未来について語るときは、真剣に耳を傾けるべきだということだ。

約15年前、彼は少数のアナリストを集め、同社の壮大なビジョンを共有した。当時、彼は未来には新しいタイプのコンピューティングインフラが必要になると信じていた。それは、当時同社事業の中核であったGPUを超えるものだった。彼は、スーパーコンピュータから高性能ゲーミングマシンのような特化型PC、さらには新しい形態のパーソナルコンピューティングに至るまでのシステムを構想していた。

初期のビジョンから「スタックの所有」へ

このミーティングが特に印象に残っているのは、「スタックを所有する(owning the stack)」という言葉を初めて耳にしたからだ。当時、それはテック業界における新しいアイデアだった。各レイヤーを別々のプレイヤーに依存するのではなく、ハードウェアやインフラからソフトウェア、アプリケーションに至るまで、コンピューティングスタック全体をコントロールすることを意味していた。

今日、この考え方は産業界全体、そして投資コミュニティにおける中心的な原則となっている。

当時、ジェンセンはこのミーティングでAIについて言及しなかった。しかし、今にして思えば、彼は明らかにAIがもたらす未来と、それが同社および世界にとって持つ重要性を見通していたのだ。

なぜAIが私たちの生涯において最も重要なテクノロジーの移行期を象徴しているのかを理解したいなら、シンプルな前提から始めるとよい。それは、AIの本質は「思考」であるということだ。

真の思考とは、質問を理解し、その文脈を把握し、情報を収集した上で回答を構築するようなプロセスのことだ。このモードには、膨大な計算処理能力が必要となる。これは単なる細かな実装レベルの話ではない。まったく新しい産業の構築におけるアーキテクチャ上の基盤なのだ。

テックリーダーたちはこれを「AIインフラ」と呼んでおり、その意味を定義することが重要だ。これは典型的な製品サイクルや、単なるソフトウェアのアップグレードではない。現在構築されているものは、送電網やインターネットと同じカテゴリーに属するものだ。世界中の社会が依存することになる、永続的で基礎的なインフラなのである。このように捉えれば、この変革の規模を誇張することは困難だ。

業界観測者にとってこの瞬間が特に興味深いのは、テクノロジースタック全体で同時に変革が起きていることだ。各レイヤーは、この変化の個別でありながら相互につながった側面を反映している。

フルスタックの好況:どこで価値が創造されるか

まずはエネルギーから見ていこう。AIによる電力需要は、ドットコムバブル期のインフラ構築以来の、しかもそれを上回る規模で、公益事業計画やデータセンターへの投資をすでに再定義しつつある。半導体のレイヤーに目を移すと、エヌビディアのような企業が、3年前なら信じられなかったような好決算を叩き出しており、目立った減速の兆しは見られない。半導体産業は単に成長しているだけでなく、AIワークロードを主要な設計ターゲットとして再編成されつつあるのだ。

その上には、ハイパースケーラーやクラウドプラットフォームのインフラレイヤーが位置する。Azure、AWS、Oracle Cloud Infrastructure、そしてCoreWeaveはすべて、想像を絶するペースでキャパシティを拡大している。これらは投機的な賭けではない。すでに存在し、加速している需要への対応なのだ。

次に、モデル開発者が続く。OpenAI(オープンAI)、Anthropic(アンソロピック)、xAIなどだ。各社は、AIが論理的に思考し、成し遂げられることの限界を押し広げようと競い合っている。そして最後に、アプリケーションレイヤーにおいて、真に新しいカテゴリーのソフトウェアが登場している。Cursorは開発者のコード記述方法を再定義している。Open Evidenceは、臨床医が医療知識にアクセスする方法を変えつつある。これらは、既存のアプリをAIで強化したバージョンではない。完全に新しい「種(しゅ)」なのだ。

際立っているのは、スタックのいかに多くのレイヤーが同時に、かつ驚異的なスピードで進化しているかという点だ。過去のプラットフォームシフトは、より一極集中型だった。PCの時代は、主にアプリケーションレイヤーを拡大させた。インターネットは、ネットワーキングと配信のあり方を再構築した。スマートフォンは、新しいインターフェースをもたらした。しかし、AIは異なる。インテリジェンスがどのように生成されるか、コンピューティングがどのように提供されるか、そしてソフトウェアがどのように構築されるかという、複数のレイヤーにわたる変革を同時に引き起こしているのだ。

これこそが、今回の投資テーマが過去のサイクルと一線を画す理由である。フルスタック全体に投資することは、単なる分散投資戦略にとどまらない。この規模のインフラ構築において、価値がどのように創造されるかを反映している。利益は1つのセグメントに集中するのではなく、エコシステム全体に広がる。エネルギー供給業者が恩恵を受け、半導体設計者が恩恵を受ける。クラウドプラットフォーム、モデル開発者、そしてアプリケーション構築者も一様に恩恵を受ける。「上げ潮はすべての船を押し上げる」という考え方が、これほどまでに当てはまるケースは極めて稀だ。

送電網の整備や州間高速道路網の拡大を目の当たりにし、インターネットが政府の研究プロジェクトから世界経済のバックボーンへと成長するプロセスを長年見守ってきた業界の経験豊富な人々にとって、現在の状況にはどこか見覚えのある感覚があるだろう。しかし、今回はタイムラインの緊迫感と圧縮ぶりが、真に新しいと感じさせるのだ。

コンピューティングの提供方法が変わろうとしている。インテリジェンスの生成と配信の方法が変わろうとしている。バージニアからシンガポールに至るデータセンター、アリゾナや台湾の半導体工場、そしてサンフランシスコからロンドンに至る研究機関で現在構築されているインフラは、何世代にもわたって存続することになるだろう。

これこそが、次に来るものの土台となる。歴史的なあらゆる基準に照らし合わせても、これはテクノロジー業界がこれまでに直面した中で、最も重大な転換点の1つを象徴している。

(開示事項:エヌビディアは、世界中の他の多くのハイテク企業と同様に、筆者が設立したCreative Strategies社の調査レポートを購読している。)

forbes.com 原文

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