米国防総省は現地時間7月20日、イラン紛争で負傷した米軍兵士の総数について不完全なデータしか開示していないとの疑惑を否定した。ニューヨーク・タイムズ(NYT)は同日早朝、匿名の米政府高官の話として、未公表のイランによる攻撃(合計3件)によって数十人の米兵が負傷していたと報じていた。
国防総省、隠蔽との報道を「根拠がなく悪意に満ちている」と主張
国防総省のショーン・パーネル報道官は、「負傷者数を隠蔽しているという、これらの根拠のない悪意ある非難を拒絶する」と述べ、NYTによる報道のスクリーンショットを添えながら、「3人の兵士が戦死した直後に、米国民の不安をさらに煽ろうとしている」と主張した。
パーネルによるXへの投稿では上記の3件の攻撃について明示的に言及されていない。
匿名の米軍高官が同紙に語ったところによると、国防総省には負傷者の統計を公表する義務はなく、特に兵士がすぐに任務に復帰した場合には公表することはないという。また、イランを利する情報が露呈することを避けるため、イランによる攻撃の対象となった拠点の公表も停止したと述べた。
パーネルは自身の投稿で、「米軍の死傷者情報は公開されており、メディアを含む誰もが確認できるよう、オンラインの『Defense Casualty Analysis System(DCAS、国防死傷者分析システム』にて情報が定期的に更新されている」と指摘した。
ヨルダンとイラクで米軍人3人死亡、死者は計17人に
国防総省は先週末、17日と18日にヨルダンとイラクで発生したイランによる攻撃で3人の米兵が戦死したと発表していた。ヨルダンの米軍基地への弾道ミサイルとドローンによる攻撃で2人が戦死し、1人が行方不明となっている。3人目は、イラクで発生したイラン製ドローンの爆発(18日)により戦死した。これにより、イラン紛争における米兵の合計戦死者数は17人に達した(米国版記事掲載時点)。
今年6月に結ばれた脆弱な停戦合意が崩壊したことを受け、両国間の戦闘は過去1週間で激化しており、米国は19日夜から20日にかけて、イランの軍事施設に対して9日連続となる攻撃を実施した。
戦闘が再び激化する一方で、両国高官はいまだ交渉の余地があると主張
戦闘が再び激化する一方で、両国の高官はいまだ交渉の余地が残されていると主張する。イラン外務省のエスマイル・バガエイ報道官は20日、仲介国から情勢緊迫化を回避するための提案を受け取ったと述べた。一方、米国のマルコ・ルビオ国務長官は19日、記者団に対し、「我々は常に外交の窓を開いていると考えている」と述べた。ただし、「それは本物でなければならない。イラン側が遵守する意志のある合意である必要がある」とも言及し、イランはホルムズ海峡の再開放に合意したにもかかわらず、同海峡を航行する船舶への攻撃を継続していると主張した。



