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Katsiaryna Pakhomava / Shutterstock

デルからデュポン、アップル、マイクロソフトに至るまでここ数年、「物言う株主」と呼ばれるアクティビスト投資家から逃れることができた企業はないようだ。当該企業の規模や産業分野がどのようなものであろうと、豊富な資金で武装したヘッジファンドのアクティビストは企業に圧力をかけ、取締役の椅子を獲得し、決定を覆し、自社株買いを実施し、合併を行い、CEOを辞任に追い込んだのだ。   アクティビスト投資の黄金の時代には、CEOや企業弁護士、ベンチャーキャピタリスト、もちろんソニーの大株主のヘッジファンドを批判したハリウッド俳優のジョージ・クルーニーでさえ、無力なようだった。

「世界金融危機後の株主アクティビスムの高まりほど、企業の戦略や財務的な決定に深く影響を与えた事項はない」 2015年当初、JPモルガンの企業金融アドバイザリーグループのレポートはこう述べている。「2003年にアクティビストのファンドが扱っていたのは総額120億ドル(1兆4,700億円)だったが、現在は1,120億ドル(13兆7,500億円)に膨らんでいる」。 しかし、今年は上場企業の株を買い占めて変革を迫っていたアクティビスト・ヘッジファンドにとって屈辱的な年となりそうだ。彼らはまだ権力の高みにはいるものの、概ね酷い一年を過ごしつつある。ファンドは暴落、アイデアは有効に働かず、事実上コントロールする企業は青息吐息。事態がこのまま推移すれば、「アクティビスト・ヘッジファンドは経営に口出しするべきでない」と、企業側に言い負かされてしまうだろう。 バリアント・ファーマシューティカルズ(Valeant Pharmaceuticals)で進行中の失策がその最たる例だ。同株は11月5日、さらに14%下落、今年に入ってから45%の値下がりとなった。年初来高値からは70%安。同社はアクティビスト・ヘッジファンドによってアクティビスト・ヘッジファンドのために経営されている。 最も影響力の強いヘッジファンドのひとつValueAct Capitalが会社の創立に手を貸し、CEOを雇い、取締役2人を送り込んでいる。億万長者のヘッジファンド活動家、ビル・アックマン氏はValeantの第2の大株主だが、6日に4時間にわたる会議を開き、スペシャリティー薬局、Philidorに関連する問題への批判に反論した。しかし、アックマン氏はこれまで業績の悪化を食い止められていない。同氏のファンドPershing Square Holdingsは10月末時点で年当初から19%下落している。 しかしアックマン氏だけが苦境に陥っているのではない。アクティビスムの老練な政治家とも言われるカール・アイカーン氏のファンドは第3四半期10.3%下落し、9月末時点で年初から2.8%の値下がりとなった。バリー・ローゼンスタイン氏の110億ドルの巨大ヘッジファンドJana Partnersも10月時点で年初から4%程度、値を下げている。 若い世代で勢いのあるヘッジ・ファンドマネージャー、リチャード・マクガイル氏のファンドも4%値下がり。億万長者ダニエル・ロブ氏のThird Pointも横ばいにとどまっている。 5日、Valeantの株が再び下落している中、ローゼンスタイン氏のファンドも、半導体メーカー、クアルコムも業績に対する失望から15%下落した。ローゼンスタイン氏は同ファンドとしては2番目に多い20億ドルを同社に投資して、大規模な自社株買いやコスト削減、役員報酬の支払い方式の変更などを実施させていたにもかかわらずだ。 米国市場ではアクティビストの巨大ヘッジファンドの調子は確かに悪い。ただし、彼らが完全に市場から手を引こうとしているわけではない。

翻訳編集=加藤雅之

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