米国時間7月20日に提出された修正版の新規株式公開(IPO)目論見書によると、米サンドイッチチェーン「ジャージー・マイクス・サブズ」の株式上場により、既存の株主は7億ドル(約1100億円)以上の売却益を得る可能性がある。この上場手続きにおいて、同チェーンの企業価値は80億ドル(約1.3兆円。1ドル=162円換算)と評価されている。
ジャージー・マイクス、計4350万株を公募・売出する計画
ジャージー・マイクスは、ティッカーシンボル「JMKE」でニューヨーク証券取引所への上場を予定している。 同社は20日、同社が新たに発行する株式と、一部の既存株主が保有する株式を合わせた計4350万株を、1株21~25ドル(約3402~4050円)で公募・売出する計画を米証券取引委員会(SEC)に開示した。上限価格ベースの売却総額は約10億9000万ドル(約1771億円)となる。
IPO株式の約68%を既存株主が放出
IPOで売り出す株数の約68%にあたる約2960万株は、一部既存株主によって放出される予定だ。仮条件の上限である25ドルで価格が決定した場合、既存株主の取り分は約7億4200万ドル(約1206億円)に上り、ジャージー・マイクスが公募株の発行によって受け取るのは約3億4500万ドル(約561億円)となる。
提出書類によると、放出される株式には、投資会社ブラックストーンが保有する2630万株と、アブダビ投資庁が保有する330万株が含まれている。
IPO完了後もブラックストーンは76.5%の議決権を維持し、引き続きジャージー・マイクスの支配権を握る見込みだ。これにより、一般株主の影響力は限定的なものにとどまる。
創業者一族に支払われていた巨額の報酬
7月上旬に公開されたジャージー・マイクスのIPO目論見書では、創業者ピーター・カンクロ(20日時点の推定資産額約8000億円)の家族に対して支払われていた巨額の報酬が明らかになった。カンクロの義理の息子であるフィリップ・シボロボフは2023年から2025年までに5050万ドル(約82億600万円)を受け取っており、カンクロの義理の弟であるダニエル・パワーは2024年から2025年までに3100万ドル(約50億3800万円)以上を、さらに実の兄弟であるジョン・カンクロは2023年から2025年までに約2100万ドル(約34億1300万円)を受け取っていた。
目論見書では、ピーター・カンクロの家族が「社内のさまざまな役職に就任している」と説明されている。ただし、2026年3月29日までの13週間において、目論見書に記載された親族の中で同社から報酬を受け取った者はいなかった。また目論見書は、ブラックストーンがジャージー・マイクスの支配権を獲得した時期とほぼ同じくして、同社がピーター・カンクロの支配下にある法人に対し、航空機1機を約4100万ドル(約66億6300万円)で売却していたことも明らかにした。
報告書によると、ジャージー・マイクスの既存店(開店から1年以上)の売上高は20年連続で前年比プラスを維持している。
米サンドイッチチェーン、ジャージー・マイクスとは?
ジャージー・マイクスは、1956年にニュージャージー州ポイントプレザントで「マイクス・サブズ」という単一の店舗として創業した。その後、1980年代にピーター・カンクロがそのビジネスを拡大させた。同サンドイッチチェーンは現在、国内に3000を超える店舗を展開し、年間売上高は40億ドル(約6500億円)以上に達するまでに成長している。ブラックストーンは2024年11月、ジャージー・マイクスの過半数の株式を約80億ドル(約1.3兆円)で取得すると発表していた。



