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2026.07.22 17:15

世界の手術を変えたプロデュースパワー──ブレイクスルー企業100(第1回)朝日インテック

朝日インテック代表取締役会長 宮田昌彦

――2026年6月期第2四半期(中間期)累計決算では、経常利益が241億4300万円と、前年同期比43.5%増加しています。長く増益基調が続いていますが、2005年以前は売上高100億円に満たない数字が長く続く、横ばい状態でした。ブレイクスルーの瞬間と言える決定的なことは何ですか? 

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宮田昌彦(以下、宮田): 私が明確にブレイクスルーだと感じた瞬間は、2003年にニューヨークで開催された「第1回 CTOサミット」です。

――〝CTO〟というのは?

宮田:「慢性完全閉塞病変」と言って、主に心臓の冠動脈などの血管が完全に詰まったまま、長期間放置された状態の病変です。

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CTOサミットに至るまでの背景を説明しておきます。

もともと私たちが医療機器に参入し始めたのが1992年頃です。当時、日本の循環器の世界には、完全に血管が詰まった難治病変(CTO)を、「外科手術(バイパス手術)ではなくカテーテルで開けて治したい」という強い構想をもった先生たちがいました。

それが、鈴木孝彦先生(豊橋ハートセンター)、加藤修先生、玉井秀男先生(草津ハートセンター)といったトップドクターたちです。そこに同じ志をもつ光藤和明先生(倉敷中央病院)や斎藤滋先生(湘南鎌倉総合病院)が加わり、私はこの5人の先生方を「5人の侍」と呼んでいました。

―― なぜ日本を代表するトップクラスの名医たちが、大手企業ではなく、産業用ワイヤーの御社に協力するのですか?

宮田:先生たちが自らの構想を実現するために、当時、世界の「4強」と呼ばれていたアメリカの医療機器大手4社にスペシャルな(CTO治療用の)ワイヤーを作ってほしいと頼みに行ったんです。しかし、答えはすべて「NO」でした。

理由は2つ。1つはそんな難しいワイヤーを作る技術がそもそも大手になかったこと。もう1つは、当時のアメリカ的な発想として、「血管が詰まっているなら、胸を切ってバイパス手術をすればいいじゃないか」というもので、誰も関心をもっていなかったのです。

万策尽きて先生方が困っていた時に、「日本にものすごいワイヤー技術を持ったロープ屋(朝日インテック)がある」という話を耳にされたとのことで、私たちのところに相談が来ました。これがすべての始まりです。

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文=藤吉雅春 Forbes JAPAN 編集長 写真=西川節子(人物)

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