最近の調査によると、中小企業経営者の40~50%が今後10年以内の引退を予定している一方、多くの企業では適切な後継者を見つけることができずにいる。買い手が現れなければ、存続可能な企業や、それらが支える雇用そのものが失われかねない。
こうした変化は、自ら事業を立ち上げるのではなく、既存企業を買収しようとする起業家に新たな機会をもたらしている。
キャッシュフローは、事業の将来性を上回る価値を持つ
事業を買収するとは、単に資産を取得することではない。予測可能な将来キャッシュフローを手に入れることでもある。
確立された企業には、継続的に取引する顧客、経験を積んだ従業員、文書化された業務プロセス、サプライヤーとの関係、そして長年にわたる財務実績がある。こうした要素は、将来の成長見込みに基づいて評価されるスタートアップよりも、企業の将来性について買い手や金融機関に大きな安心感を与える。
もちろん、それでリスクがなくなるわけではないが、その性質は大きく変わる。顧客が本当に獲得できるかを心配するのではなく、既存事業を維持・成長させることに注力できるからだ。
経済的自立を目指す多くのミレニアル世代にとって、収益性の高い企業を買収することは、ゼロから事業を立ち上げるよりも、資産形成を加速させる手段となり得る。
「買収型起業」が主流に
企業買収という概念は、もはやプライベート・エクイティ・ファンドだけのものではない。
サーチファンド(個人が企業買収を通じて経営者になることを支援する投資ファンド)や企業買収を通じた起業(ETA)のプログラム、ポッドキャスト、オンラインコミュニティ、そして大学の講義などを通じて、数多くの起業志望者が買収型起業を知るようになった。元経営幹部やコンサルタント、会計士、エンジニア、金融の専門家なども、企業買収を有力な起業のキャリアパスとして捉えるようになっている。


