気候・環境

2026.07.23 10:30

過去最高21.0度、海の熱がエルニーニョ現象を激甚化させる理由

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観測史上最も高温となった海域で、エルニーニョ現象が勢力を強めつつある。地球温暖化による過剰な熱の90%以上を吸収してきた海が、そのエネルギーの一部を大気中に放出し始めているのだ。その影響は世界中の天候を左右する可能性がある。いま誰もが注視すべき気候の物語が、大気ではなく海にある理由を見ていこう。

2026年7月、熱波の影響で米国の独立記念日(7月4日)に東部各地で開催されたパレードは中止に追い込まれたり、参加者がまばらな状態になったりした。前月には致命的な猛暑が欧州を襲い、西欧では観測史上最も暑い6月を記録した。これら2つの出来事は、それぞれ別個の緊急事態として報じられた。それは間違いではない。しかし、どちらも私たちがまだほとんど語れていない、より大きな物語の一部なのだ。

エルニーニョ現象の解説:なぜ今回の事象が重要なのか

現在、太平洋で強いエルニーニョが形成されつつある。その下に広がる海は、私たちが記録してきたどの海よりも高温だ。米航空宇宙局(NASA)によると、海は温室効果ガスによって閉じ込められた余剰熱の90%以上をすでに吸収している。いま、その熱の一部が大気へ戻り、天候として私たちのもとへ返ってきている。

その規模をイメージしてみてほしい。海は地球表面の約71%を覆っている。太平洋側から見ると、地球はほとんど水だけの星に見える。その水こそ、私たちが持つ最大の蓄熱タンクである。人間は肌で感じる気温(大気)に目を向けがちだが、地球温暖化の熱の大半は海の中に蓄積されている。

海が何を蓄え、いつその熱を放出するのか。それを知ることは、この秋から冬にかけての天候について、どんな予報図よりも多くを教えてくれる。いま海は単に温かいのではない。張り詰めたばねなのだ。

私たちが感じるのは気温である。だが、条件を決めるのは海水温だ。

海は熱の記録を更新し続け、今年それが表面化した

タンクは、ゆっくりではなく、より速く満たされている。非営利の報道機関であるInside Climate News(インサイド・クライメート・ニュース)の報告によると、海洋熱含量は2025年にも上昇し、9年連続で記録を更新した。海は毎秒、莫大な熱を取り込んでいる。米国大気研究センター(NCAR)のケビン・トレンバース(Kevin Trenberth)は、これを地球が温暖化していることを示す最も明確な兆候だと言う。大気と違って海水温はほとんど揺らぐことがなく、ただ上昇し続ける。

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