気候・環境

2026.07.23 10:30

過去最高21.0度、海の熱がエルニーニョ現象を激甚化させる理由

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世界は海を守るために本物の一歩を踏み出したが、ほとんど誰も気づかなかった

科学は明確であり、利害もはっきりしている。いま重要なのは、権限を持つ人々がそれに対して何をするかであり、その実績はまちまちだ。良いニュースから始めよう。2026年1月17日、約20年に及ぶ交渉を経て、公海条約が発効した。どの国の国境にも属さない海、すなわち海の3分の2における海洋生物を保護する初の拘束力ある合意であり、80カ国以上が署名している。世界は初めて、公海に保護区を設けることができるようになった。これはまさにこの瞬間に必要とされる共同の行動であり、なお実行可能であることの証明でもある。とはいえ、もしあなたがそれを見逃していたとしても、あなただけではない。地球表面の半分を対象とする合意が発効したにもかかわらず、その注目度は、たった1回の金利決定に向けられる関心のごく一部にすぎなかった。これこそが、この物語全体の下にある静かな問題である。海は私たちが持つ最大かつ最重要の気候システムでありながら、私たちが最も注視していないものなのだ。

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海を監視するシステムは政治的に脆弱である

米政権(ワシントン)の対応との対比は鮮明だ。5月、米国立科学財団(NSF)は海洋観測ネットワーク「オーシャン・オブザバトリーズ・イニシアチブ(OOI)」の大部分の活動の停止を命じた。これは約900基の深海センサーから成るネットワークで、約3億8600万ドル(約627億円)を投じて構築され、10年以上にわたり海の熱、化学状態、海流に関するリアルタイムデータを取得してきた。科学者からの抗議と、議会での珍しい超党派の反発を受け、決定は6月に撤回された。NSFは機器の撤去を停止し、すでに撤去したものを戻し、専門家パネルを設置すると述べた。撤回は正しい判断だった。だが、海が私たちの見たことのない領域へ入り、非常に強いエルニーニョが形成されつつあるこの瞬間に、そのようなシステムが廃止候補のリストに載ったという事実は、海を見る私たちの目が1つの政治的決定によっていかに簡単に消され得るかを示している。英国に拠点を置く独立系の海洋科学研究機関「プリマス海洋研究所(PML)」のヘレン・フィンドレー(Helen Findlay)は、その重大性をこうまとめた。継続的な監視を怠れば、私たちは「視界がますます狭まるなか、極めて不安定化する海を航海する」ことになる、と。

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