15. 北マケドニア
北マケドニア共和国は、欧州の中で見落とされがちな国のひとつだ。海に面しておらず、世界的にも有名な観光ブランドがあるわけでもなく、バルカン半島の近隣人気国の狭間に位置している。しかし、そこには古の町並み、壮麗な山々の景色、美しい湖、広大なブドウ畑、そしてギリシャ、ローマ、オスマン、ユーゴスラビアといった歴史の変遷によって育まれた豊かな文化が存在している。
この国最大の魅力はオフリド湖だ。巨大で抜群の透明度を誇るこの湖を見下ろすように、教会や石造りの家、素晴らしいテラスが並ぶオフリドの旧市街が広がっている。夏には、海がないにもかかわらず、地中海のリゾートのような雰囲気に包まれる。水温は暖かく、人々はゆっくりと時間を過ごし、どこを切り取っても美しい絵のような景色が広がっている。
オフリドを一歩出ると、国立公園や深い峡谷、そして食やワインの文化が深く根付いた小さな村々が待っている。首都のスコピエは唯一無二の街だ。オスマン帝国時代のバザール、社会主義時代の無骨な建築物、そして近年建てられた無数の巨大な記念碑が混在しており、カオスでありながら常に好奇心を刺激される街並みを形成している。
この国は、旅行前の細かな予定をすべて決めてしまわなくても、今なお自由気ままに旅を進めることができる。そんな「自由さ」こそが、この国の大きな魅力のひとつとなっている。
アクセス方法:スコピエ国際空港まで空路を利用する。空港からはレンタカーかバスを利用して、オフリドや近隣の国立公園へアクセスできる。オフリドにもいくつかの季節限定便が就航している。
おすすめのアクティビティ:オフリドの探索、聖ナウム修道院の訪問、マヴロヴォ国立公園でのハイキング、スコピエ近郊のマトカ渓谷の見学、首都の旧バザール(オールドバザール)の散策など。
宿泊先:オフリドには、湖畔のホテル、温かみのあるゲストハウス、旧市街のブティックホテルなどがある。スコピエはホテルの選択肢が最も多く、ドライブ旅行をスタートする拠点として最適だ。
このリストに挙げられた場所は、決して観光資源のない不毛の地でも、手つかずの無人の土地でもない。そのいずれもが独自の伝統と豊かな歴史を持ち、力強い日々の生活に満ちあふれている。そこでは、まるで誰かのためにあつらえられたかのような「観光用の体験」ではなく、その土地本来の、血の通った真の旅を味わうことができるのだ。


