マウントサイナイ医科大学ヘルス・エクイティ(健康格差)研究所(Institute for Health Equity Research)の研究チームは、米国国立衛生研究所(NIH)が設立した研究プロジェクト「全米女性健康イニシアチブ(Women’s Health Initiative)」に参加している全米40カ所の臨床施設に登録された閉経後女性9041人のデータを分析した。
その結果、社会経済的地位が低い地域に暮らす女性は、裕福な地域に暮らす女性に比べて、窒素酸化物(NOx)や二酸化硫黄(SO2)への曝露に関連する骨密度の低下が著しく大きいことが判明した。
これらの汚染物質は、一般的に自動車や工場の排気に関連している。
筆頭著者のディディエ・プラダ(Diddier Prada)博士は声明で、この研究は「大気汚染がすべての人に平等に影響を与えるわけではないことを示している」と述べた。
プラダ博士はさらに、社会経済的に不利な環境にある地域に住む女性は、同等の汚染物質への曝露であっても、骨量の減少が大幅に大きかったと指摘した。
「私たちの研究結果は、環境的要因と社会的要因がどのように連動して、長期的な骨の健康に影響を及ぼすかを浮き彫りにしている」と博士は述べた。
さらに、ケンブリッジ大学の研究チームが環境科学・環境保健分野の学術誌『Environment International』に発表した最近の論文は、特定のタイプの大気汚染に長期的に曝されることが、パーキンソン病のリスク増大に関連していることが明らかになったと発表している。
一方で研究チームは、二酸化窒素(NO2)、一酸化炭素(CO)、SO2、オゾン、煤(すす)との関連性については、研究数が少ないことや、その不正確さ、一貫性の欠如が主な原因で、確実な証拠は得られなかったとしている。
同様に、大気汚染と多発性硬化症または運動ニューロン疾患との間の関連性を示す証拠も見つからなかったが、これはこの分野での研究が極めて少ないためである可能性がある。
ケンブリッジ大学IMS疫学ユニットの臨床研究フェローであるアナラン・ナヴァラトナム(Annalan Navaratnam)博士は声明で、大気汚染とパーキンソン病の関連性を探る堅牢な研究は依然として比較的少ないものの、その関連性があることは明らかになりつつあると述べた。
「重大な公衆衛生上の問題であるこのテーマを検証するため、より大規模な集団を対象としたさらなる研究が早急に必要だ」とナヴァラトナムは述べた。


