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経営・戦略

2026.07.20 09:13

デジタルオンボーディングが切り拓く国際ビジネスの新たな可能性

Adobe Stock

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過去10年の大半、フィンテックはビジネスのグローバル化を進めるため、国境の壁を壊し続けることに注力してきた。マクロの視点では、これは理にかなっている。Wise(ワイズ)やRevolut(レボリュート)のような企業が示してきた通り、海外市場への進出を支援することには大きな収益機会があるだけでなく、それを最もうまく実行するスタートアップはグローバルリーダーになり得るからだ。しかし、大企業ではなく中小企業に目を向けると、はっきりとした対照が浮かび上がる。国境を越えた中小企業にとって、銀行サービスは概してあまりにも煩雑なのである。

Immigration Research Initiativeによると、米国の事業主の5人に1人は移民である。米内国歳入庁(IRS)の推計では、米国内の全企業のうち2%以上が海外のオーナーによって所有されている。こうした数字があるにもかかわらず、国際郵送先住所のような一見時代遅れとも思える障壁が、デジタルバンキングにおいて中小企業オーナーを長らく妨げてきた。海外に拠点を置く米国の中小企業オーナーにとって、デジタルオンボーディングはその潜在力を最大限に引き出す鍵となり、フィンテックとの提携がそれを可能にする。

デジタルオンボーディングが重要な理由

3代目の中小企業オーナーであり、移民の子であり、国際拠点を持つ企業のCEOである私にとって、銀行システムにおける摩擦を軽減し、国境を越えて中小企業を支援するという目標は、常に重要なものだった。幼いころ、ニューヨーク市で成功していた父の理学療法クリニックが、わずかな請求の遅れによっても影響を受ける様子を目にしてきた。それは、今日Bluevineが存在する主な理由の1つである。

今日、経済のほぼすべての領域が真にボーダーレス化しているにもかかわらず、海外で事業を展開する米国の多くの中小企業オーナーは、いまだに日常的な不便さに直面している。米国のテックスタートアップの創業者が、たとえばテルアビブに住むことを選択したというだけの理由で、資金移動に苦労すべきではない。とりわけ、本人確認を行うためのテクノロジーがすでに存在している今日においてはなおさらだ。

現在、対面での面談なしに申請者の身元を安全かつ確実に確認できるデジタルオンボーディング技術は存在している。コンプライアンス基準と広範な書類確認を維持しながら物理的な所在要件を取り除くことで、米国の銀行システム内にある障壁と国境を真に取り払うことができる。フィンテックのリーダーと中小企業が連携すれば、グローバルな銀行システムの健全性と、中小企業が支える経済の健全性を確保できる。

グローバルな銀行サービス拡大を支える技術はすでに存在する

デジタルバンキングは、消費者と中小企業オーナーの双方が仕事上および私生活上の要求を両立するなかで不可欠である。多くの事業主は長時間働き、複数の役割を担い、業務の委任に苦労している。その結果、銀行支店での対面のやり取りはますます現実的でなくなっている。

デジタルオンボーディングは、海外の起業家が米国のビジネス口座を遠隔で開設・管理できるようにすることで、米国金融システムへの参入障壁を取り除く。これにより、口座保有者の意図の健全性を確保しつつ、グローバル商取引を支える。

国際的なマネーロンダリングは世界のGDPに対する重大な脅威となっているが、不正行為や詐欺に対抗するため、KYC(顧客確認)やAML(マネーロンダリング防止)といった厳格なコンプライアンス基準と保護策が整備されている。

適切なパートナーを見つける

それでもなお、海外の事業主や創業者は、米国での事業を加速させるために追加のサポートを必要としている。

そのために中小企業は、デジタルオンボーディングを可能にする堅牢でテクノロジー主導の顧客識別プログラム(CIP)を提供できるフィンテックパートナーを探すべきだ。また、堅牢ではあるものの摩擦に満ちたソリューションを構築するのではなく、中小企業オーナーの利便性向上を最優先するパートナーを選ぶ必要がある。中小企業オーナーが国境を越えて資金を移動させるために、細分化された口座間で資金をやりくりするのに費やす1分1秒、あるいは米国のバンキングシステム内で資金に金利がつかないまま放置されている毎日は、失われた時間であり、機会損失にほかならない。

負担の大きい書類手続きの効率化は引き続き最重要課題

海外の起業家は、膨大な事業関連書類や移民関連書類の要件によって大きな管理負担に直面している。フィンテックパートナー内でデータがサイロ化していることも、中小企業の足かせとなる。オープンバンキング機能を米国の銀行が求める透明性と統合することで、プロセス全体に明確さと一貫性をもたらす、双方に利益のある解決策が生まれる。

フィンテック企業は、既存の提供内容における現在の制約を検討し、盲点を解消するために新たに構築するか既存のソリューションを導入するかを決断すべきだ。完璧なソリューションの構築を待つこと、あるいは課題の解決を先延ばしにすることは、顧客ロイヤルティを危うくするだけでなく、金融成長が飛躍的になり得る新興市場を疎外するリスクを伴う。

最後に

私は起業家精神の力と、その成長を支援する新たな方法を見つけることの重要性を信じている。デジタルオンボーディングは中小企業オーナーの業務を効率化し、フィンテック部門は、海外の起業家が米国で事業を迅速に拡大できるデジタルファーストの解決策を提供する。

世界経済の相互のつながりが強まるなか、デジタルオンボーディングは「あれば便利」なものではなく、「不可欠」なものである。それは、次世代の国際的な起業家たちを後押しし、彼らの創造力の限界を広げることができる。

forbes.com 原文

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