ピート・ヘグセス米国防長官は、30歳以上の男性米兵を対象に、男性ホルモン「テストステロン」の数値検査を毎年実施すると発表した。男性のテストステロン値は20代でピークを迎え、その後数十年かけて徐々に低下していく。30歳以降にいわゆるテストステロン「欠乏症」になった場合は、補充療法で対処することができる。ヘグセス長官は、補充療法を受けるかどうかは本人の判断に委ねるが、検査は男性として生まれたすべての現役軍人の定期健康診断に組み込まれるとしている。
テストステロンは男性と女性の双方に存在するホルモンで、男性は精巣、女性は卵巣と副腎で生成される。男性では、精巣の発育や精子の生成、性欲、ひげの発育、声の低音化、体毛の発育に関与している。そのほか、骨や筋肉の強度や密度を高める働きもある。年齢に関わらず、テストステロン値が低すぎると、筋力や骨密度の低下、疲労感、性欲の低下につながることがある。女性のテストステロンも、卵巣機能や性欲、骨や筋肉の健康にとって重要な役割を果たす。
性別を問わず、テストステロン値が高すぎたり低すぎたりすると、性機能障害、骨や筋肉の衰弱、全身の倦怠感などの症状が現れることがある。女性の場合、テストステロン値が高いと、多内分泌代謝性卵巣症候群(PMOS)を引き起こすことがある。これは、かつては多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と呼ばれていた疾患だ。この症状は閉経前の女性の約8人に1人にみられ、月経不順、卵巣嚢胞、不妊症などと関連している。
男性向けのテストステロン補充療法は目新しいものではないが、ヘグセス長官が15日に動画で説明したように、国防総省はテストステロン検査と治療の取り組みを「高テストステロンの戦争省」の一環として位置付けている。「高テストステロン」の概念は、テストステロン値が高いほど筋力や精力が強く、戦闘能力に優れているという考えだ。テストステロン補充療法は、同ホルモンの値が正常な男性と低い男性の双方に広く用いられている治療法で、長寿や性欲の向上、筋骨格系の健康増進につながるとされている。テストステロン補充療法は閉経期の治療の一環として、女性にも用いられている。



