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宇宙

2026.07.20 08:00

「混沌の神」アポフィス、地球最接近まで1000日切る 肉眼で観測可能な小惑星

小惑星「アポフィス(99942 Apophis)」のイメージ図(ESA-Science Office)

アポフィスが2029年に地球に衝突する可能性はあるのか?

アポフィスが初めて注目を集めたのは2006年のことだ。当時発表された論文で、2029年、2036年、2068年のいずれかに2.7%の確率で地球に衝突すると指摘されたことがきっかけだった。その後、少なくとも今後100年間は衝突は起こらないとの分析結果が2021年に発表された。

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しかし、2024年のシミュレーション研究では、アポフィスが別の小天体と衝突した場合、軌道が変化する可能性があるとの結果が示された。その確率はおよそ10万分の1~10億分の1と極めて低いが、ありえないことではない。科学者たちにとって残念なことに、アポフィスは2027年まで太陽の光の中に隠れていて観測できないため、それ以降にならないと軌道が変化したかどうかを確認する手段はない。

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日本も参画、アポフィスを探査する「ラムセス計画」

欧州宇宙機関(ESA)は「RAMSES(ラムセス)計画」を立ち上げ、小惑星アポフィスが地球に歴史的な大接近をする前に、探査機によるランデブー観測を行う。ラムセスとは「Rapid Apophis Mission for SpacE Safety(宇宙安全のためのアポフィス緊急ミッション)」を意味する。今年2月、ESAはイタリアの人工衛星メーカーOHB Italiaと契約を締結し、探査機の製造・組み立てから試験までの行程に着手した。

打ち上げは2028年春、アポフィス到着は2029年初頭を予定。地球に最接近する前、最接近時、そして離れていく際の小惑星の状態を調査・研究する。探査機はアポフィスの形状、自転、軌道、表面、内部構造を詳細に測定するとともに、接近中に地球の重力が小惑星にどのような変化をもたらすかを観測する。

地球の重力の影響で変化する小惑星アポフィスの軌道を示した図(ESA)
地球の重力の影響で変化する小惑星アポフィスの軌道を示した図(ESA)

科学者たちは、この接近遭遇によってアポフィスの自転や公転軌道がわずかに変化し、場合によっては表面で地滑りが引き起こされるかもしれないと予想している。ESAで火星・深宇宙探査プロジェクトグループを率いるオーソン・サザーランドはラムセス計画について、「アポフィスが地球のそばを通過する際にこれを研究するという、一生に一度の機会だ。地球近傍天体に対する理解を深め、地球を防衛する能力を向上させることができる」と述べた。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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