「クロノタイプのレッテル」が無視している2つの重要要素
しかし、朝型か夜型かという二者択一が無視している点がある。体内時計がいつピークを迎えるかは、その一側面にすぎない。ほかにも少なくとも2つの重要な要素がある。一つは「振幅(アンプリチュード)」、つまりエネルギーの増減の鋭さだ。きわめて活発に動ける明確なピークと、パフォーマンスが著しく低下する明確なボトム(時間帯)を持つ、コントラストの強いリズムで動いている人もいる。
一方で、朝から晩までほぼ一定の、中程度のエネルギーを維持するフラットなリズムの人もいる。これは実際に測定可能な軸である。学術誌『Frontiers in Psychology』に掲載された2021年の論文で、研究者のリー・ディ・ミリアとサイモン・フォルカードは1000人以上を調査し、リズムの振幅が小さくフラットな人ほど、眠気を容易に払拭でき、必要な睡眠量も少ない傾向があることを発見した。就寝時刻の好みがまったく同じ2人であっても、1人は活動量の変動が激しく、もう1人はほとんど変動しないため、全く異なる1日を過ごすことになる。
2つ目の要素は、「リズムの頑健性(ロバストネス)」、すなわち体内システムがスケジュールの乱れにどれだけ適応できるかだ。ある人にとっては、1日夜更かしをしたり時差のある場所へ移動したりしても、ほとんど影響はない。しかし別の人にとっては、予定が1晩ずれただけで、翌日1日が完全に台無しになってしまう。これは神経質だからではなく、心理学者が長年測定してきた特性だ。
前述の研究者らが学術誌『Personality and Individual Differences』で発表した「概日リズムタイプ特性尺度(Circadian Type Inventory)」は、まさにこの点、つまり生活スケジュールが思い通りにいかないときに、睡眠時間をどれほど容易にシフトさせ、機能し続けられるかを「柔軟〜厳格」の尺度で分類している。そして、これが安定した特性であることを明らかにしており、なぜ「根性で乗り切れ」という言葉の受け止め方が人によってこれほど異なるのかを説明するのに役立っている。
重要なのは、この3つのつまみが1つに収束するわけではないという点だ。エネルギーがいつピークに達するかだけでは、パターン全体がどれほど崩れやすいかはわからない。
だからこそ、朝型か夜型かという単一のスコアでは全体像の一部を見落とす。決して失速しない安定した早起きの人は、朝の習慣を支柱のように守る、鋭いピークを持ちながらも脆い早起きの人とは、実際にはまったく異なる存在である。どちらも「朝型」に分類される。だが、そのラベルはどちらの実態も十分に表してはいない。


