SHEIN(シーイン、希音)がパリで最も有名な百貨店の一つに、欧州初となる常設店をオープンさせてから1年も経たないうちに、物議を醸したこの試みは突然の終わりを迎えようとしている。
BHVマレ(BHV Marais)の経営陣は、クリスマス前にSHEINの売り場を閉鎖することを認めた。BHVの所有権が最近移行したことで、この提携方針が180度転換され、わずか7カ月でパートナーシップは終了することになった。
BHVとの提携は、当初から象徴的な意味合いを帯びていた。マレ地区の中心部に位置する同百貨店は、160年以上にわたりパリの小売業を代表する存在であり、プレミアムファッション、デザイン、インテリア・日用品(ホームウェア)の分野で長年にわたり評価を築いてきた。
SHEINにとって、これほど名声ある商業施設内にスペースを確保することは、大成功を収めたオンライン事業や、欧州各地で人気を博した一連のポップアップストアの先へ進化しようとするうえで、大きな後押しを意味していた。
だが実際には、この売り場は批判の的となった。環境活動家や政治家、フランスのファッション業界の一部からは、フランスを代表する名門百貨店の一つが超低価格のファストファッション(ウルトラファストファッション)の小売業者を後押しすべきなのかという疑問の声が上がった。
SHEINの進出を受け、BHVでの出店継続を再考する有力ブランドが相次ぎ、当初は商業的な提携として始まった取り組みが、同百貨店にとっては評判上の課題へと変わっていった。
そうした流れが決定的に転換したのは6月、ソシエテ・デ・グラン・マガザン(SGM)が、BHVとSGMグループの元CEOであるカール=ステファン・コタンダンによる買収提案を受け入れたときだった。コタンダンはヴァレリー・シャレサン、メディ・ティ、エロディ・ニョと組み、BHVマレとParly 2の事業運営を取得した。
BHV Parly 2は買収対象に含まれたが、パリ郊外にある旧ギャラリー・ラファイエット(Galeries Lafayette)の7店舗(現在はBHVブランドで運営)はSGMグループに残っており、そのうち5店舗には現在もSHEINの売り場が設けられている。
コタンダンは、SHEINは「理想的には」クリスマスまでに同店から退店すると述べ、同小売業者のBHV出店を認めた判断を「戦略上の誤り」と表現した。



