国際教育研究所(IIE)が実施した米国の大学585校を対象とする調査で、約3分の2が2026〜2027年度における留学生数の減少を見込んでいることが明らかになった。また、約6割の大学が留学生からの出願数がすでに減少していると回答している。
この結果はIIEが新たに発表した「2026年春 国際教育交流スナップショット」によるもので、この秋の留学生受け入れ状況を占う早期の指標となる。回答した機関は、米国で学ぶ留学生全体の48%を受け入れている。
報告書は、出願数の減少と入学者数減少の見通しが、留学希望者にとってのハードルの高まりに加え、他国での魅力的でより安価な留学先の存在を反映していることを示唆している。
出願数が減少、大学は入学者減に備える
調査対象の大学の過半数で、留学生からの出願数がすでに減少している。2026〜2027年度については、59%が前年度より出願数が減少したと報告した。増加したと答えたのはわずか14%で、28%は出願数が横ばいだったとしている。
減少傾向は大学院レベルで特に顕著だった。大学院への出願減少を報告した機関は65%で、学部への出願減少(60%)を上回った。
入学者数の見通しも同様に厳しい。調査対象の63%が2026〜2027年度の留学生数の減少を予想しており、増加を見込むのはわずか11%、横ばいと予想するのは26%にとどまる。
入学者数の減少を予想する機関のうち、92%がビザ申請の障壁を要因として挙げた。80%が米国の渡航制限を指摘し、77%が留学希望者が代わりに他国の大学への進学を選んでいる可能性を挙げた。ドイツや日本などの国々は留学生獲得の取り組みを拡大し続けており、大学が提供する学位プログラムは米国の同等プログラムよりも安価であることが多い。
留学生が依然として重要な理由
調査結果は、大学の国際化への取り組みが依然として堅固であることを示している。ただし、留学生獲得を優先事項と位置付ける大学の割合は、昨年の89%から82%に低下した。
約4分の3の機関が、留学生は多様な視点を教室にもたらすことでキャンパスを強化すると回答している。61%は留学生獲得が自機関の戦略と合致していると述べ、同じ割合が留学生による経済的貢献を挙げている。
大学は留学生が到着した後の支援も拡充している。90%以上の機関が在留資格の維持に関するガイダンスや助言サービスを提供しており、64%はメンタルヘルスに関するリソースの紹介を行っている。
条件を満たした外国人卒業生が、学位取得後に一定期間米国で就労することを認める「オプショナル・プラクティカル・トレーニング(OPT)」への関心も引き続き高い。83%の教育機関が、学生のOPTに対する関心は横ばい、または高まっていると報告している。
しかし、卒業後の就労プログラムの先行きは不透明だ。米市民権・移民局(USCIS)の局長に指名されたジョセフ・エドロウは、指名公聴会において、USCISは「F1(学生)ビザの学生に対する就学期間を超えた(OPT)就労許可の付与を取り消すべきだ」との見解を示した。
海外留学は回復基調が継続
米国人学生の海外留学については、見通しは大幅に明るい。
調査対象機関の87%が、2026〜2027年度の海外留学参加者数は横ばいまたは増加すると予想している。参加者数はパンデミック前の水準に完全には戻っていないものの、過去3年間の増加を受けて緩やかな成長が続く見通しだとIIEは述べている。
大学はまた、海外での経験をキャリア形成につなげることをより重視している。4分の3の機関が帰国した学生をキャリアサービスに紹介しており、58%がキャリア重視の帰国後プログラムを提供し、44%が海外インターンシップを仲介している。
調査結果は、米国での留学生受け入れをめぐる不透明感が高まる中でも、海外留学は勢いを取り戻し続けていることを示唆している。大学はまた、卒業生をグローバルな労働力として準備させる上で海外経験が果たす役割をますます重視している。
結論
調査結果を総合すると、国際教育セクターは引き続きグローバルな関わりに注力しているものの、世界中の学生を惹きつける米国の競争力について懸念が高まっている姿が浮かび上がる。
出願数の減少は、こうした圧力がすでに入学審査のパイプラインに影響を及ぼしていることを示唆している。同時に、大学の入学者数予測は、この秋に学生がキャンパスに到着する、あるいは到着しないという段階で、その影響がより顕在化すると大学が見ていることを示している。
予想される入学者数の減少が実際に現れるのか、そして最終的にどの程度の規模になるのかは、秋の入学データが揃った時点で明らかになる。しかし本調査は、ビザ取得の障壁、渡航制限、他国の大学との競争が米国での留学生受け入れの形を変えつつあると多くの機関が考えていることを、早期の警鐘として示している。



