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経営・戦略

2026.07.19 11:52

「見えないこと」もまたメッセージだ 経営幹部に求められる可視性の時代

stock.adobe.com

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ソーシャルメディアが浸透した世界において、可視性(ビジビリティ)は新たな信頼性となったのだろうか。

数十年にわたり、シニアリーダーたちは、メッセージが磨き込まれ、承認され、戦略的なタイミングが整ったときにのみ発信するよう訓練されてきた。

その方程式は単純だった。CEOはアニュアルレポートを通じて語り、最高コミュニケーション責任者が公式声明を担当し、社内向けの情報は幾重ものレビューを経て発信される。組織内で高い地位に上るほど、その人物の可視性――あるいは不可視性――は慎重に管理されていた。

だが、その時代は終わりを迎えつつある。可視性は今や、リーダーが信頼性を築くうえで最も重要な手段のひとつとなっているのだ。

今年のカンヌで最大の議論のひとつとなったのは、経営幹部がインフルエンサー的な存在になる必要性だった。顧客、従業員、パートナー、投資家は、もはやブランドの声だけと対話することを望んでいない。彼らが求めているのは、自分たちを率いる人物を理解すること、経営者が何を信じているのか、そして周囲の世界に注意を払っているのかを知ることだ。

そうした環境において、不可視であることは中立とは受け止められず、距離を置く選択と見なされる

今日、リーダーの姿がめったに見られず、声も聞こえない状況では、人々は沈黙を憶測で埋めるようになり、不在はすぐに回避と解釈されかねない。

重要なのは媒体ではなく、発するシグナルである。

経営幹部に求められるのは、何らかの形で継続的に姿を見せることだ。それはSubstackやLinkedInでオピニオン記事を書くことでも、タウンホールに参加することでも、ポッドキャストに出演することでも、従業員に向けた短い動画を直接録画することでもよい。

「最も優れたCEOは、社内で最も優れたストーリーテラーでもあります。自らのスキルを磨きたいリーダーには、次の3つを覚えておいてほしい。1つ目は、自社の創業ストーリーが今日の課題を乗り越える最良の手がかりになることが多いということ。創業者たちがどんな人物で、何に直面したのかを語ってください。2つ目は、ストーリーとスピーチは違うということ。人間らしく語り、専門用語は控えめに。3つ目は、組織に対して同じストーリーを語ることに飽きた頃こそ、ようやくそれが浸透し始めるタイミングだということ。だからもう一度語ってください。何度でも。ハリウッドで言われるように、『もう一度、感情を込めて』」と語るのは、TBWA\Chiat\Dayの元CEOで、現在はエグゼクティブリーダーシップ・パフォーマンスコーチとして活動するロブ・シュワルツ氏だ。

今日の従業員は、人工知能(AI)、オフィス回帰の議論、企業文化やリーダーシップに対する期待の変化に至るまで、絶え間ない混乱というレンズを通して働いている。その結果、コミュニケーションの頻度が低いリーダーは、チームが実際に経験している現実から乖離しているように映るリスクを抱える。

社内での可視性は、リーダーシップが組織図の裏に隠れているわけではないことを従業員に思い起こさせる。それは難しい意思決定に文脈を与え、何が起きているかだけでなく、なぜそうなっているのかをチームが理解する助けになる。

「空約束がこれほど大きな害をもたらしたことはない。事業運営上の真実から切り離されたストーリーテリングは、単なる雑音にすぎない」と語るのは、グローバルコミュニケーションコンサルティング会社フライシュマン・ヒラードのCEO、J.J.カーター氏だ。「真正性(オーセンティシティ)とは、説明責任と同義だ。効果的なリーダーは、失敗や、物事が計画通りに進まなかったときに、それを引き受ける覚悟を持たなければならない」

顧客もまた見ている。

競争の激しい市場において、買い手は最も信頼できる組織を選ぶことが多い。可視性の高い経営者は、企業に人間味を与えることで、強力な差別化要因になり得る。彼らは、製品やサービスの背後に判断力、信念、そして責任があることを顧客に確信させるからだ。

リーダーのコミュニケーションに完璧さは求められていない。オーディエンスは企業的な言い回しを見抜くことに長けており、承認プロセスによってメッセージが角を削られたものかどうかも察知する。技術的には正しくとも感情的に空虚であることは、勝利ではない。

正直で不完全な可視性には力がある。

不確実性を認め、自らが学んでいることを共有し、課題への思考プロセスを説明するリーダーは、すべての答えが確定するのを待つリーダーよりも、多くの信頼を得ることが多い。

フライシュマン・ヒラードのLicense to Lead Leadership Playbookによれば、社内外のブランドステークホルダーは、リーダーが何を信じ、何を築いているか、そしてどう考えているかを知りたがっている。これは、CEOの99%が今後2年間でAIによる人員削減を見込む時代においては、特にそう言える。

経営陣には依然として判断力が求められる。しかし、完璧なメッセージを追求することが結果的に沈黙を招くのであれば、それ自体がレピュテーション上のリスクとなり得る。

多くの経営幹部にとって、これは居心地の悪いことだ。彼らは業務遂行における卓越性ゆえに昇進したのであって、公の場でのストーリーテリングのためではない。誤ったことを言うのではないか、批判を浴びるのではないか、自己宣伝的に映るのではないかと懸念するかもしれない。

だが、可視性が影響力を形づくる時代においては、不可視でいることの方がより大きなリスクとなり得る。

リーダーシップには常に「存在感」が求められてきた。今日の違いは、その存在感が役員室を越えて、デジタルプラットフォームや公の議論の場にまで及ばなければならないことだ。これを理解するリーダーは、つながりを生み出すコンテンツをつくっていくだろう。

経営幹部にとっての問いは、可視化すべきかどうかではない。問うべきは、あなたの不在がすでに何を伝えているのかということだ。今日の市場では、姿を見せないこともまた、メッセージを発しているのだから。

そして、継続的に、誠実に、人間らしさをもって姿を見せる意志のあるリーダーこそが、人々から最も信頼される存在となっていくのだ。

forbes.com 原文

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