【重要】会員機能一時停止とサイトメンテナンスのお知らせ

欧州

2026.07.21 07:30

ウクライナ侵攻を巡るさまざまな見方 ロシアの主張を繰り返す西側有識者も

ウクライナの首都キーウで握手を交わす同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領(左)と米共和党の故リンゼー・グラム上院議員。2024年3月18日撮影(Ukrainian Presidency/Anadolu via Getty Images)

ウクライナの首都キーウで握手を交わす同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領(左)と米共和党の故リンゼー・グラム上院議員。2024年3月18日撮影(Ukrainian Presidency/Anadolu via Getty Images)

ロシアのアレクサンドル・ノバク副首相は10日、ウクライナ軍による最近の一連の無人機(ドローン)攻撃の影響で、複数のロシアの石油精製所が操業を一時停止したと説明した。英ロイター通信は、ウクライナ軍の無人機攻撃により、ロシアのガソリン生産量は季節平均消費量のわずか65%程度にまで落ち込んでいると報じた。

ロシアのエネルギー産業を標的としたウクライナ軍の無人機攻撃は、ロシア経済に打撃を与えている。同国のエネルギー産業は制裁下のロシア政府を支えてきたほか、輸出収入を通じてウクライナ侵攻に投入する資金を供給し続けている。ロシアのエネルギー生産量が減少すれば、資金の流れが縮小し、武器や人員の調達のほか、兵士に対する給与支払いが困難になるだろう。

ウクライナ軍の攻撃が功を奏していることを受け、一部の西側の政治家や記者は、同軍が勝利するのではないかと推測し始めている。4年にわたる戦闘を経て、ウクライナ軍はロシア黒海艦隊の約半数を破壊し、現役戦車部隊を壊滅させたと伝えられている。ロシアが失った軍事装備は数十億ドル相当に上る。

こうした中でも世論を掌握するための重要な戦いは続いており、ウクライナには勝利の見込みがないとの見方もある。こうした批評家の中には、ロシアの軍事力に圧倒され、率直に懐疑的な見方をしている者もいる。他方で、戦争は西側諸国が始めたものであり、ウクライナの敗北は避けられないというロシア側の主張を露骨に繰り返している場合もある。後者は政治的立場を問わず幅広く存在しているが、ロシアの権力政治に対する見方と、西側諸国の動機に対する冷笑的で偏執的とも言える不信感という点で一致している。

米外交誌フォーリンポリシーによると、右派であれ左派であれ、孤立主義や反西側陣営の動機の多くはロシアを擁護することではなく、米国のあらゆる行動に反対することにある。極左の中には、ソビエト時代の権力への郷愁に浸っていたり、「植民地主義的」な欧米諸国や南半球諸国の「純粋さ」に関する物語に酔いしれており、欧米は破壊され、取って代わられるべきだと主張する者もいる。一方、極右勢力の一部は、「大国」による支配を自然の法則と捉え、ロシアを「伝統的な大国」でありキリスト教正教の旗手として位置付け、侵略を受けた弱者であるウクライナを批判し、同国に対する西側の継続的な支援に反対している。米シンクタンク戦争研究所(ISW)によると、ウクライナ、米国、そして西側諸国全体を標的としたこの認知戦は、時にロシア大統領府(クレムリン)によって操作され、アルゴリズムを利用したエコーチェンバー現象(訳注:自分と似た考えを持つ人のみと交流することで、その意見が増幅され、唯一正しいと錯覚する現象)を生み出すことが多い。

次ページ > ウクライナの支持者だったグラム米上院議員の死を巡る反応

翻訳・編集=安藤清香

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

2026年8月号発売中

最新号の購入はこちらから

タグ:

連載

Updates:ウクライナ情勢

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事