ウクライナの強力な支持者だった米共和党のリンゼー・グラム上院議員の死を巡る反応を見てみよう。この突然の死に対し、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は同議員を「真の自由の擁護者」とたたえ、追悼した。これとは対照的に、米左派系政治番組「ザ・ヤング・タークス」で司会を務めるアルメニア系米国人アナ・カスパリャンは、グラム議員の死に対し、ソーシャルメディア(SNS)上に「いい厄介払いだ」と投稿した。同番組の共同創設者であるセンク・ウイグルも同議員の死を嘲笑した。
カスパリャンは以前、ウクライナ侵攻の責任は北大西洋条約機構(NATO)にあると非難し、同機構の拡張主義がクレムリンを挑発したとして、米国製の長距離地対地ミサイル「ATACMS」などの武器をウクライナに供与することは「危険な事態の悪化」を招くと主張していた。同時に、ウクライナに勝利の見込みはないとも述べていた。
自らを「反動主義者」と称し、「ナショナリズム、キリスト教、伝統主義」を掲げる「米国第一主義財団」の創設者であるニック・フエンテスもカスパリャンと同様、グラム議員の死に対し、SNSに「せいせいした」と投稿した。フエンテスはかねてよりロシアによるウクライナ侵攻を支持し、ソビエト連邦のヨシフ・スターリンやドイツのアドルフ・ヒトラーへの賞賛も表明している。フエンテスは「ロシアに拍手を送ろう」と述べたほか、 同国に対し「ウクライナを解放」するよう呼びかけたこともある。
ロシアはこうした過激派だけに依存しているわけではない。米カーネギー国際平和基金(CEIP)は、ロシアは一定の信頼性を持つとされる政治家や学者、経営者、ジャーナリストなど、影響力のある人物とも関係を築いていると報告している。
欧州議会外務委員会の上級政治顧問を務めたラトビアの元外交官エルダル・マメドフは現在、核兵器廃絶を目指す科学者らの国際組織「パグウォッシュ会議」の会員で、米クインシー研究所の非常勤研究員でもある。マメドフは以前、カタールやモロッコによる欧州議会への影響力行使疑惑を巡る調査が行われた際、同議会で2番目に大きな会派である「社会民主進歩同盟」の顧問職を停止されていた。
2022年2月にロシアがウクライナへの侵攻を開始して以来、マメドフは、ウクライナの将来的なNATO加盟に関する欧州側の提案は「戦争終結に向けたあらゆる合意を台無しにする」と主張してきた。さらにウクライナに対しては、西側諸国の組織には加盟せず、中立の立場を取るよう求め、東部ドンバス地方の接触線に沿って戦争を凍結すべきだと提案した。


