ビジネスの世界は今、大きな転換期を迎えている。ここ5年ほどのAIの劇的な台頭は、企業のあり方に関する従来の常識を塗り替えた。その結果、この変化から取り残されていると感じる人々の間では、不安や不満が広がっている。
クラウドが普及したときは、今とは様相が異なっていた。その影響はより限定的で、変化も段階的だった。ウェブ経由でソフトウェアを提供できるようになったことは、人々に大きな戸惑いを与えることはなく、むしろ便利だと感じられていた。
現在、人々が違和感を抱いているのは、AIが意思決定を担う存在になるという考え方だ。これは、人間だけが持つと考えられてきた役割に対する直接的な挑戦と言える。とりわけ米国では、「人は仕事によって定義される」という考え方が根強くある。だからこそ、仕事を失うことは、存在意義の危機を意味するのだ。
変わりゆく仕事のあり方
こうした変化の中、働き方をこれまでとは異なる視点で捉えるべきだと考える人が増え始めている。大企業の歯車として、あるいは組織の小規模なチームの一員として働くのではなく、ソロプレナーとして独立して働くほうが賢明だという考え方だ。
先日、お気に入りのポッドキャスターであるナサニエル・ウィットモアがAI業界の動向を発信しているウェブサイト「AI Daily Brief」を見ていたところ、ある記事に次のような紹介文が掲載されていた。
「AIは、安全なキャリアの定義を覆しつつある。AIはスタートアップを立ち上げるコストを下げる一方で、企業に勤めることの安全性という前提も揺るがしている。AI時代に企業での仕事がどう変わるのか不透明な状況では、『スタートアップはリスクが高く、企業勤めは安全』という従来の常識はもはや成り立たない。」
これは、スタートアップへの挑戦や、ソロプレナーとして働くという選択を強く後押しする内容だ。AI Daily Briefが、この種の議論を展開する他のメディアと異なるのは、具体的なデータを示している点である。では、その数字を見ていこう。



