より長期的には、さらに目を見張る見通しが示されている。国連貿易開発会議(UNCTAD)は、リチウムの需要は2024年から2040年の間に353%も増加すると予測する一方、供給は少数の国に集中しているうえ、2020年以降に新たな輸出規制が100件近く導入されたとも指摘している。このような資源ナショナリズムは、ハードアセット(実物資産)の長期的な強気論を支える最も強固な論拠のひとつだと筆者はみている。
原油はホルムズ情勢で「ジェットコースター相場」に
上半期の騰落率でリチウムに次ぐ僅差の2位だったのは原油で、21%の上昇だった。原油価格は米国とイランの軍事衝突のあおりで急騰し、世界の石油輸送量のおよそ5分の1が通過していた狭い水路であるホルムズ海峡では、タンカーの通航も大きく滞った。
暫定的な停戦が成立すると市場には大きな安堵が広がり、国際エネルギー機関(IEA)によると北海ブレント原油は6月中に1バレル31ドルも急落した。だが、ドナルド・トランプ米大統領が停戦は終わったと宣言し、7月第3週に実際に交戦が再開したことを受けて、原油価格には再びリスクプレミアムが上乗せされるようになっている。
明るい材料もある。世界の買い手が供給の安定した米国に原油の調達先を切り替えたことで、米国の原油・石油製品の輸出は4月に日量1360万バレルと過去最高を記録した。
米国のエネルギー国内生産は、戦略資産としての価値をあらためて証明したと言える。とはいえ、一般の米国人ドライバーはガソリンスタンドで急激な価格変動を実感している。レギュラーガソリンの全米平均価格は5月に1ガロン4.56ドルまで上昇し、その後数週間にわたって下落したものの、7月9日時点で3.84ドルに再び上がっている(編集注:16日時点ではさらに3.94ドルに上昇している。1リットル約170円)。
銅とAIインフラ建設
銅価格の上半期の上昇率は7%と比較的控えめだったが、それに惑わされてはいけない。世界銀行は独自算出している金属・鉱物価格指数について、2026年に最高値をつけ、通年では17%上昇すると予測しており、とりわけ銅、アルミニウム、スズはいずれも最高値を更新すると見込んでいる。バンク・オブ・モントリオール(BMO)の調査部門も、鉱山からの供給が伸び悩んでいることや、精鉱不足がここ数年で最も深刻になっていることを理由に、今年の銅価格は平均で1ポンド6ドルと過去最高になるとの見方を示している。


