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スポーツ

2026.07.18 18:30

W杯決勝アルゼンチン対スペイン戦に潜む鳥肌が立つ「5つの奇縁と運命」

米ニューヨーク・マンハッタンの高層ビル群を背景に、2026年7月19日に行われるW杯決勝スペイン対アルゼンチンを予告するドローンショー。2026年7月17日撮影(Maja Hitij - FIFA/FIFA via Getty Images)

米ニューヨーク・マンハッタンの高層ビル群を背景に、2026年7月19日に行われるW杯決勝スペイン対アルゼンチンを予告するドローンショー。2026年7月17日撮影(Maja Hitij - FIFA/FIFA via Getty Images)

迷信深い人なら、たまらない気持ちになるに違いない。運命なんて信じないという人でも、きっとわくわくしてくるはずだ。なぜなら、以下に紹介する出来事が交差する確率は、まさに驚嘆するほかないレベルだからだ。

2026年7月19日(日本時間20日早朝)に迫ったFIFAワールドカップ2026北中米大会の決勝戦の筋書きをわざわざ書こうとする脚本家はいないだろう。そこに、あつらえた物語は必要ない。アルゼンチンとスペインの代表チームは、「運」という言葉では説明しきれないほど濃密な偶然の積み重ねを携えて、米ニュージャージー州イーストラザフォードにあるニューヨーク・ニュージャージー・スタジアム(メットライフ・スタジアム)に姿を現すのだ。

もちろん、サッカーに台本などない。しかし、サッカーに関する記録は連綿と残されており、それらが時としてまるで「仕組まれた」ように見える形に重なり合うことがある。

今年のW杯決勝を彩る5つの興味深い巡り合わせを紹介しよう。

1:メッシの引退宣言を目撃したスタジアムが、2度目のW杯制覇の舞台となるかもしれない

メットライフ・スタジアムは、リオネル・メッシがかつてアルゼンチン代表からの引退を世界に告げた場所だ。2016年のコパ・アメリカ(南米選手権)決勝でPK戦の末チリに敗れた後、メッシは涙ながらにアルゼンチン代表からの引退を発表した。その決断はまもなく撤回されたが、人々の記憶には残った。

ちょうど10年後、同じスタジアムでW杯決勝が行われる。メッシにとっては3度目となる世界の頂点を目指す戦いだ。そして、彼の引退宣言を目撃したこの地が、今度は栄冠を飾る舞台となるかもしれない。

2:南米王者と欧州王者が世界の王座を争う、2大陸頂上決戦

W杯史上、コパ・アメリカ優勝チームと欧州選手権の優勝チームが決勝戦で相まみえることはこれまで一度もなかった。この2大陸の王者たちは今年3月にスーパーカップ戦「フィナリッシマ2026」で決着をつける予定だったが、中東情勢の悪化で中止となり実現しなかった。まるで両者の頂上決戦には、そこではなくもっとふさわしい舞台があるとの天の配剤だったようにも思える。

3:ファンが「聖別」と呼ぶ瞬間をとらえた19年前の写真

2007年秋、スペインのFCバルセロナに所属していたメッシはホームのカンプノウ・スタジアムのロッカールームで、ユニセフと地元紙ディアリオ・スポルトが主催したチャリティー抽選会に当選した一家の赤ちゃんと一緒に写真撮影をした。

その赤ちゃんこそ、ラミン・ヤマルだった。スペインの未来のスターをかつて腕に抱いた選手が、世界王者を目指す道に立ちふさがるのだ。19日、2人は初めて同じフィールドに立つ。どちらもそんな未来が来るとはつゆ知らず、小さな浴槽とともに1枚の写真に納まってから19年後のことである。

4:切っても切れない数字「19」

メッシが赤ちゃんのラミン・ヤマルと写真を撮った当時、バルセロナで着用していた背番号は19だった。19年後、ヤマルはスペイン代表で背番号19を着けている。それだけでなく、今大会の準決勝前日に19歳の誕生日を迎えた

そして対称性がここに完成する。メッシがバルセロナで19番から伝統のエース背番号10番を背負うようになったのと同様に、現在バルセロナに所属するヤマルもまた、当初19番を着け、現在は10番を背負っている。

5:師匠と弟子、そして対決

最後の巡り合わせはピッチの外にある。スペイン代表監督のルイス・デ・ラ・フエンテは、2017年にスペインサッカー協会のコーチングアカデミーで、アルゼンチン代表監督のリオネル・スカローニを指導した縁を持つ。そして2人は現在も親しい友人だ。スペインのレッスンでスキルを学んだ弟子が、自分を指導した師匠にディフェンディングチャンピオンとして立ち向かい、世界王座を守ろうとしている。

これらの巡り合わせは、神秘主義的に思えるかもしれない。きっと多くの人がそう受け止めるだろう。しかし、サッカーは長い歴史を有し、数々の記憶が丁寧に受け継がれてきたスポーツだ。だからこそ、時にその歴史が偶然に重なることがある。それが、鳥肌の立つような巡り合わせを生み、世界最大のスポーツイベントを取り巻く興奮に彩りを添えるのである。

決戦の日は7月19日。──そう、またしても「19」だ。この日、サッカーというスポーツは、それぞれ誰にも気づかれることなく書き始められ綴られ続けてきた個別のエピソードを、何百万人もの観客の目の前で織り上げられる一編の物語へと昇華させる。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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