制裁の法的根拠についても、欧州の裁判所内で抵抗に直面しており、ロシア問題の枠を超えて不確実性が広がっている。欧州の制裁措置は急ごしらえで構築され、不透明な資本の移動や流出に対処するため、個人と法人、信託などの関係に基づく広範な所有権の定義が採用された。これにより、所有権と支配権に関する拡大解釈が生じ、現在、それらが争点となっている。
独フランクフルト行政裁判所による最近の判決は、この状況を如実に示している。同裁判所は、ウズベキスタン系ロシア人実業家アリシェル・ウスマノフの凍結資産の代表的な例である世界最大の高級ヨット「ディルバル」号を巡り、法的には本人もその姉も所有も支配もしていないとの判断を下した。これは、同船に対する制限措置を維持する根拠に疑問を投げかけるものとなった。この判断は、信託、受益権、資産に対する実効支配権を巡る同様の問題に関して、欧州司法裁判所(ECJ)がイタリアのラツィオ州行政裁判所に示した指針とほぼ一致する。
数年が経過した今、こうした制裁措置が急ごしらえで構築されたことで、異議申し立てが成功する可能性が高まっている。なぜなら、政治家にとってはそれが政治的に都合が良いからだ。こうした早計な措置は立法によって是正できたはずだが、4年以上が経過した今も手付かずのままとなっている。現在、裁判所は他の欧州諸国が無視しづらくなるような解釈を確立した。裁判所が拡大解釈を受け入れるのではなく、直接的な支配の具体的な証拠を要求し続けるならば、制裁の実質的な適用範囲は大幅に狭まる可能性が高い。
これらの判決の意義は個々の事例にとどまらない。複雑な所有形態を通じて保有されている資産の凍結という、制裁措置の中で最も迅速かつ目に見える手段が、EUが抜本的な新法を打ち出さない限り、制約を受けることを示唆している。
再構築か、再関与か
これは制裁が失敗したことを意味するものではない。むしろ、効果的な経済外交には、政治的目標、商業的現実、法的基準の整合性が不可欠であることを示している。米国と中国はこの点を比較的うまく実践している。一方、EUの構造を考えれば当然かもしれないが、欧州は現在、これら3つの要素を調和させることに苦慮している。戦略的自立を追求しながらロシア産天然ガスの輸入を増やしたり、持続的な圧力を約束しながら裁判所が再評価を命じたりすることは、政策上の失敗だ。EUは「回復力」をうたうが、それがもたらす結果を受け入れることには依然として消極的だ。
米国はこれを注意深く見守るべきだ。同国には、欧州の政策立案者が見過ごしてきた機会がある。米国産LNGは単なる代替燃料にとどまらず、戦略的な影響力を行使する手段でもある。緊密な大西洋横断エネルギー関係は、競争が激化する地政学的時代の中で、ロシアの商業的影響力を低下させつつ、西側諸国の連携を強化することになるだろう。
皮肉なことに、米国産エネルギー資源への依存度を高めることは、欧州の交渉力を強めることにもなり得る。米国との長期にわたる安定した取り決めは、グリーンランドを巡る紛争など、避けられない政治的対立に対処する上での切り札となり、市場が逼迫した際にロシア産天然資源に回帰する誘惑を抑えることにもつながるだろう。
欧州は最終的に選択を迫られている。相反する優先事項の間で揺れ動き、双方の悪い面ばかりを被り続けるか、あるいは自らの機関が擁護できる基盤の上に制裁政策を再構築するかだ。現時点では、EUはどちらの道も歩んでいない。この一貫性のなさは、最終的には欧州ではなく、米国や中国、そして欧州のちゅうちょにつけ込むことができるあらゆる国に利益をもたらすことになるかもしれない。


