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欧州

2026.07.20 07:00

対ロシア制裁の効果を弱めているのはEUの「一貫性のなさ」

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この再分配は現在、ロシアに対する欧州の政策そのものに亀裂を生じさせ始めている。欧州は自らが先駆けて打ち出した戦略を維持することに消極的になっているようだ。米国のドナルド・トランプ政権によるグリーンランドを巡る強硬な発言への懸念から、欧州の一部では、米国産液化天然ガス(LNG)への依存をロシア産天然資源への依存と同列に捉える見方が強まっている。こうした状況を受け、欧州各国政府は経済的圧力を強めるのではなく、防衛策を図るようになった。

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「戦略的自律」はEUが好むスローガンだが、その実現は、往々にして慣れ親しんだ商業関係への回帰を意味してきた。中国は当初、魅力的な選択肢を提供し、欧州の首脳は、特にフランスのエマニュエル・マクロン大統領の働きかけを受け、中国との経済関係が先端製造業や環境技術の分野で協力の余地を生み出すことを期待していた。しかし、そうした期待は概ね薄れてしまった。中国企業は欧州の政策立案者が対抗に苦慮している優位性を維持しつつ、再生可能エネルギー分野で積極的に競争を繰り広げている。欧州は米国と中国の間でバランスを取るどころか、両国のエネルギー企業間の戦場と化し、双方からの挟み撃ち状態に陥っている。

エネルギー制裁の緩和

エネルギー資源の輸入ほど、欧州の矛盾を如実に示すものはない。欧州は最近、ロシアのヤマル港から過去最多のLNGを輸入した。こうした取引は狭義では商業的に合理的かもしれないが、22年以降採用されてきた戦略的根拠を損なうものだ。市場環境が悪化するたびにロシア産エネルギー資源が選択肢として残されるのであれば、欧州の長期的な制裁政策の信頼性は必然的に疑問視されることになる。米国の支援なしに欧州が制裁を科す能力は、さらに信頼性を失うだろう。

欧州が他の努力や犠牲を払うことなく、経済的苦痛を強めるだけで、最終的にロシアに漠然とした政治的再調整をもたらすという想定は、今のところ現実に裏付けられていない。

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法的制裁の弱体化

エネルギーはあくまで最も分かりやすい例に過ぎない。市場が逼迫(ひっぱく)するたびに、EUがロシア産天然資源に対する制裁を執行する意欲は弱まり、公言された政策と実際の運用との乖離(かいり)は拡大する。この傾向は、石油や天然ガスに限ったことではない。

この後退はエネルギー分野にとどまらない。実際、もしこれがエネルギー分野に限られていたなら、安価な資源を確保することで市民の不満を和らげようとするEUの姿勢も許容できたかもしれない。残念ながら、EUの政策の失敗は広範囲に及んでいる。EU全域で、ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」やフランスの「国民連合(RN)」など、親ロシア派を相当数抱える右派が勢力を拡大し、ロシアとの関係を再び強化する姿勢を公然と示している。ロシアが「存続に関わる脅威」というよりは「対処済みの存在」と見なされるようになるにつれ、同国を封じ込めるという立場は交渉の材料となり、欧州の政治主体にとってもはや譲れない一線としての重要性は薄れていく可能性が高い。

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翻訳・編集=安藤清香

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