経済・社会

2026.07.21 12:00

持ち家も終身雇用も無理な現実、Z世代が模索する新しい大人のカタチ

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逆説的だが、家賃や住宅所有のコストが急騰する一方で、電化製品や衣料品などの消費財の価格は手頃になった。1980年代当時、携帯電話は4000ドル(約65万円)もする高級品であり、年収の10〜20%に相当した。今日、消費財は容易に手に入るようになったが、「大人になること」自体のコストは高くなっている。

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世界の主要都市の多くで、家賃が月収の50%を超えている。ニューヨーク(81%)、ロンドン(75%)、ドバイ(59%)などがその例だ。住宅価格が上昇し、賃金が停滞し、キャリア初期の機会が減少している経済状況下では、若者たちが家賃を支払った後に残るお金は少なく、生活を少しでも豊かに感じさせるためのささやかな贅沢(プチ贅沢)以外に回せる余裕はない。今、この1世紀で初めて、若者の未来は個人の努力や収入よりも、親から何を相続できるかに左右されるようになっている。5ドル(約812円)の抹茶ラテが住宅ローンの頭金の代わりになり、15ドル(約2440円)のリップグロスが夏休みの旅行の代わりになり、100ドル(約1万6200円)のスニーカーが最初の車の代わりになっているのだ。

人生を楽しみ、精神的な充足感を得たいという欲求は変わっていない。ただ、現在の経済的な現実に合わせてその規模が縮小されただけだ。若者たちは20代・30代になっても実家に留まる期間が長くなっており、自立の定義を再構築している。もはや大人であることは、資産の所有によって示されるものではない。しかし、消費が消え去るわけではなく、より小さく、より即時的で、より象徴的なものへと変化しているのだ。

流動的な仕事

かつて仕事は一生モノであり、昇進の明確な道筋や、大人の生活を築くための安定した基盤を提供してくれるものだった。対照的に、今日の雇用の見通しは不確実で、一時的であり、保証されていない。Z世代の平均勤続年数は、1年をわずかに超える程度だ。

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経済的・心理的な負担に加えて、仕事は若者にとって「意味」を再構築するための新たな領域となっている。キャリアが細切れになり、取引型になり、リモート化するにつれて、仕事がかつて大人の生活を支えていた人間関係やルーティンを提供する割合は低下している。

米国の平均的な若者は、生涯に10回以上転職する可能性が高い。それも、幸運にもエントリーレベル(初級向け)の仕事に就くことができた場合の話だ。AnthropicのCEOであるダリオ・アモデイは、デジタル・ニュースメディア『Axios(アクシオス)』による2025年のインタビューで次のように語っている。「AIはホワイトカラーのエントリーレベルの仕事の半分を消滅させ、今後1〜5年で失業率を10〜20%に急上昇させる可能性がある」

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